(トロッコ列車)

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 今回は立山黒部アルペンルートの旅、中でも「雪の大谷」ウォーキングをメインにした旅だ。連休の初日だから、それなりの覚悟を持っての出発となった。今回も格安バスツァーの旅だ。ほんとはバスの旅は疲れるので、電車で行ってバスに乗り換えるタイプの方がよい。値段も1万くらいのアップで済むから、それを選択したいところだが、あいにくスタートダッシュに出遅れて、予約が取れなかったのだ。もちろんバスの旅も風情はある。移動時間が長い分、沿線の移り変わりなどが比較的に楽しめる。比較的にというのは、新幹線などもそうだが、シェルターやトンネルなどでしばしばそうした期待が裏切られるからだ。もっともスピードや沿線の環境に配慮が必要だから、やむを得ない措置ではある。それでもバス旅は2時間くらい毎にサービスエリアにはいるので、その沿線ならではの食べ物なども賞味することが出来る。ただ、石原大臣も行っているように、日本のそれはかなり高い。

 無駄口はさておいて、東京駅経由の新宿都庁地下からの7時45分予定の出発。その前に恒例の納豆定食を食べる。納豆はエコノミー症候群予防、つまりは血栓の生成を防止する作用があるというわけで、旅立ちにはこれを食すことが多い。今回は飛行機に乗るわけではないが、長時間のバス旅を覚悟しなければならないから、一応予防。もたもたして、50分に都庁の駐車場を出発。青梅街道を経て環7経由で関越に乗る。一般道もそうだったが、意外なほど混んではいない。連休初日なので、ある程度の覚悟をしてきたし、日本道路公団のハイウエイ情報でも30キロの渋滞が予想されていたところだ。以前佐渡を目指したときに、とにかく事故とかでかなり混んでいて、途中の予定を省略してようやくフェリーに乗り込んだ経験がある。だから、とにかく先が思いやられるので、急げや急げと思って乗っていた。我々の席は後ろから4番目くらいだったが、最後尾があいていたのでそこに陣取ったおかげで、座席は余裕たっぷりだ。つまりは渋滞どんと来いと言った感じの体制を取った。何しろ今日は殆ど予定としてはただ走るだけなのだから。にもかかわらず、バスは順調に走る。

 もっといけと思ったが、東京駅からの乗車した人たちのことも考えるとそうはいかない。9時7分に上里SAに入る。約20分のトイレタイム。東京駅7時発だから頑張った方だろう。さてそこからは、たぶんこんなに順調にいくとは思っていなかったのだろう、1時間走って石打SAへ。ここで昼の弁当(オプション)を積み込む。我々も、かなりの渋滞を覚悟していたので、おにぎり3ヶを予備に買っておいたので、弁当を1つだけ注文。石打SAを10時45分に出て、一気に日本海へ。海岸線が見えたのはほんの一時で、あとはトンネルまたトンネルの連続。これは北陸本線も似たようなものだ。親不知子不知の名所も今は昔だ。石打から約1時間半後の12時15分名立谷浜SAで3回目の休憩。もう新潟も半ばで、富山はもうすぐ。高速を降りて最後の休憩場所というか、土産物店であるアルペン村で13時20分くらいから30分の休憩。ここで今夜の晩酌用のお酒を購入。これが結構うまかった。

 さてアルペン村を出て30分程度で宇奈月の駅に到着。宇奈月は富山からの電車の終点でもある。ここから本来なら欅平まで行っているトロッコ列車であるが、シーズン開始直後ということで出平(だしだいら)迄の往復となっていた。聞けば5月1日には開通すると言うことだ。我々の予約している時間は15時59分というかなり遅い時間。それはそうだろう東京からバスで来るのだからこれくらいの時間的な余裕を持っていないとならないだろう。今日はあまりにも調子よく宇奈月に着いてしまったのだ。しかしどういう訳か、添乗員さんらの機転なのか会社の配慮なのか14時56分に出る臨時に乗ることが可能、ただし窓のある特別車両ではなく元祖トロッコということで、全員が賛成してこれに変更。それはそうだろう、2時間近くもぶらつくよりはずっとましだ。

 出平までトロッコは片道40分ほどかけて走る。ショートコースと言うこともあろうが、以前に乗っていたよりもややスピードを落としている感じがした。写真を撮るには窓付きよりはトロッコ形式の方が都合がよい。走り出すと直ぐに鉄橋を渡り、まもなくダムが見えてくる。ダム湖の周りをトロッコは進み、「柳橋」という駅の手前にお城のような建物(新柳河原発電所)が見えてくる。少し進むと切り立った川の両眼を結ぶ吊り橋が見えてきた。両岸に3点ずつでがっしりと鋼鉄製のワイヤーが固定されており、かずら橋(あれも実は中に鋼鉄の芯が入っている)のような危うさはないが、高さもけっこうありわたるのはゾッとするような橋だ。トロッコはやがて鉄橋の少し手前に「天然仏石」と書いた看板の前を通過する。眼下に赤い布が巻かれているいる石があり、それと分かる。それを過ぎると二番目の駅の「森石」。ここで反対列車とのすれ違い。次の「黒薙駅」では下車する人が数人いた。温泉にでも向かうのだろうか。黒薙の駅の先の方の端は「後曳橋」という深い谷に架かった橋で、トロッコが進む際に足元を見ると、結構怖かった。
 更にトロッコは進むと、残雪が山の上から押し出されてきたような光景のところを通り、そこを過ぎてしばらくいくとまたダムが見えてきた。ダムの横を過ぎるとそこが暫定的な終点の「出平」で、標高370メートルということだった。ここでトロッコは牽引してきた機関車を切り離し、後ろに機関車を付け、我々も座席を反対にして来た道を引き返す。出平の一つ手前の「笹平」と言う駅に戻ると、5分程度のトイレ休憩。ここではクロユリの球根を売っていた。こころなしか、帰りの方がスピードが上がったように感じ、あっという間に宇奈月に戻った。

 そこからホテルまでは30分あまりで到着した。今日はくらくなってからでないと付かないだろうと思っていただけに、5時ちょうどの到着はうれしかった。それでもそれなりに疲れはあったようで、明日のことも考えてのことだが、早めに床についた。

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