7月22日(火)曇りのち晴れ一時雨  ゲイランゲルフィヨルドクルーズ、氷河見学
  則:体温36.5・血圧141−93・脈拍67   順:36.0・130−85・67

○起床 0400
 夕食が終わると寝るしかないので、自然と朝が早くなる。そうでなくても早起きなのだが、今回の旅行は暗くなるのは遅くて明けるのが早いので、どうも時間の感覚が狂っている。いつもこの頃になると起きている。といって散歩するような所もないので、荷物の整理をしたりしながら過ごす。
 そうすると楽しみは朝食しかない。といって毎朝、ハムとチーズと固い黒パンと、とお決まりのメニューしかない。

○ストリーンホテル発 0700 
 今日の出発は早くて7時だ。昨日ホテルに入ったのが、7時だったから、12時間の滞在だった。この旅行のメーンイベントの一つ、フィヨルドのクルーズが今日だ。昨日、ダレスニッパ展望台から見たフィヨルドだ。本来なら、もっとゲイランゲルフィヨルドの近くのホテルに泊まるはずだったのに、とれなかったというのでストリーンという町まで来たので、まずは戻る形で船乗り場へと向かう。これも人数が多いせいだろう。何しろバスもぎちぎちで本当なら乗せてはいけない一番前の席まで使っている。

○ヘルシストの滝 0750 
 港に近づくと大きな船が湾内?というかフィヨルドの谷間に2隻停泊しているのが見えてきた。われわれのこの旅の後半というか全体のおそらくはハイライトになるであろうスエーデンからフィンランドへ向かうバイキングラインの船よりは小型なのだそうだ。
 バスは穏やかな港に近づく。観光客はここではそう多くはない。バスを降りて港の後方にあるヘルシストの滝という、滝を見に行く。雄大な滝だが、何しろ船の乗船時間が迫っているので、ただただあわただしく観光写真を撮るだけだった。日光の湯滝に似ていた。

○ヘルシストで乗船 0800 
 出航数分前に徒歩で乗船した。徒歩と書いたが、我々のバスも一緒に乗り込む。今回は、結構無駄な行程が多い。何度か同じ道を往復する羽目になるのだが、少しでも時間短縮をするという意味で、バスも乗り込んだのだろう。
 我々はかなり外気が低くても、こういった観光船の場合には室内にいたことはほとんどない。もちろん船内で食事をとるといったような場合には別だが、外の景色を眺めるためには一番上の甲板が最上だ。後部の左右別々の隅に椅子を移動させて、そこに陣取って撮影をすることにした。船はほぼ定刻通りに出航。この頃雨が降り出して、それでも我々はヤッケを着て頑張って座っていた。

○フィヨルドに入る 0815 
 ヘルシスト港自体がフィヨルドの終点に位置する町なのだ。そこからいったん大西洋の方向に進み、15分ほどたったところで、右に大きく曲がり支流?に入る。つまりはY字の一方の谷に踏み入れることになる。この頃になると、雨も止んできて、沢山の人が甲板に出てきた。
 フィヨルドの急峻な斜面にはいくつか建物が見える。ちょうど曲がったところにもあるのだが、これらは皆すでに放棄された建物ということだ。これらの建物は、今ではそこがかつて牧場や果樹園だったことを物語るものになっている。山羊を飼ったりアプリコットなどの果物の木を栽培したりしていて、たくさん採れたのだそうだ。ところでこうした解説は、船の上のアナウンスによるものだが、テープには日本語が組み込まれており、ありがたかった。勿論、それだけ、この遠方の極東の小国から大量に観光客が押し寄せているからなのだろう。

○滝・滝・滝(7人姉妹の滝・向かいには求婚者の滝 0845) 
 船の左右には滝がいくつか見えてくる。落差といい、水の量といい、感嘆に値する。その全てとはいわないが、ここの滝にはいくつか名前の付いているものがある。そのうちの一つが、やがて左側に見ることができる幾筋かの滝。これは7人姉妹の滝という名称で呼ばれているもので、その向かいには求婚者の滝というやや水量の多い滝が一筋あるが、その中央にはとっくりの形をした模様が浮き出ていると言うことだが、定かにはわからなかった。由来は、求婚したが袖にされてしまい、やけ酒をあおったためという。

○ゲイランゲル下船 0900 
 港が見えてくると、沢山のバンガロー風の家々が見えてきて、そこがバカンスの場所であることがわかり。そうした一方の側の山肌には九十九折りの道も見える。やがて船はもう一方のY字の、このフィヨルドのひとつの終着点の港に入港する。そこが目的地のゲイランゲル。ここにも大型の船が停泊していた。物見高い我々は下船直前まで甲板にいて、バスに乗車。到着は定刻よりも少し早かったように思う。
 なかなか見応えのあるフィヨルドだった。寒い寒いと聞いていたが、風はなま暖かい感じで、震えるようなことはなかった。床も滑るようなものではなかった。

○バス発 0903 
 バスは港を後に、出発。急峻な道をくねりながら、山を登っていく。さっき見えた九十九折りかどうかは定かではないが、滝の脇の道を、大型バスであるにも関わらず、器用にカーブを切りながら上っていく。下に広がるフィヨルドをこれが最後とばかりに振り返っては何度も目に納めた。

○フリーダスコ−ベ(フィヨルドビューポイント) 0910〜0920 
 九十九折りの頂上がフリーダスコ−ベという展望地になっている。ここからは、その脇を上ってきた滝の流れ落ちる筋道と、そしてその行き着く先の先ほど上陸したフィヨルドにそった町並みと、フィヨルドそのものを遠望できるところだ。ここで写真撮影タイム。
 5分ということだったが、結局だらだらしていて、倍の時間が経過してしまった。だいたい、40人も詰め込めば、いっぺんにはバスに乗れないし、そのうちに興味のある別のものを見つけてしまう人もいるしで、先に乗り込んだ者はなんだか損をしてしまうような形だ。営業上の問題もあるだろうが、添乗員もそうしたことに付き合って急ぐ風でもないので遅くなる。

○再びダレスニッパ展望台入り口(1030m) 0940 
 バスは山道を通り、そこからホテルへ戻ることになる。が、違う道を通っているようで、新しい景色が次々と目に飛び込んできた。氷河のすぐそばを通っているのには感激もひとしお。山を一つ越したようだ、と思ったとたんに昨日の見覚えのある景色が広がっていた。
 先にも書いたように、今回の旅は何度か同じ道を往復する羽目になる。昨日休憩をして、写真を撮ったりしたダレスニッパへの分かれ道になるレストハウスが目の前にあったのだ。
 湖は昨日とはまた少し違う姿をしている。昨日味わった感激をまた確認することとなった。今日も天気はいいので、ダレスニッパへの道もたぶん封鎖はされていないだろう。

○ストリーンホテルにてトイレタイム 1035〜1050 
 適当な場所がないということで、ホテルへ戻り、トイレタイム。ここでもトイレで大渋滞だ。でもよいこともある。誰かが変換プラグを忘れたようだが、それを添乗員は手渡された。添乗員曰く、かつて入れ歯を忘れて無事戻ってきた人もいるとか。

○オールデー湖畔にて撮影タイム(ヨステルダール氷河遠望)1120〜1130 
 ホテルを後にして30分程度は走ったところで、オールデー湖というところの一角で、ヨステルダール氷河を遠望する。背後にも滝があるところで、その滝も雄大だが、近すぎてその姿の全貌をとらえることは難しかった。
 ここにもやなぎらんと釣り鐘にんじんが群生して目を楽しませてくれた。

○昼食(トマトスープ、マスのソテー。ビール50)買い物 1145〜1305 
 昼食は氷河の上り口にあるレストラン。そこから氷河を見ることはできないが、そびえ立つ山とそこから流れ落ちる滝は見ることができ、ここでも自然の大きさを満喫した。
 ここは日本人観光客も沢山来るらしく、日本語の案内もあった。日本人のアルバイト学生もいた。昼食内容はたいしたことなかった。醤油が大活躍であった。
 それから少し馬車待ちの時間があったので、何か買い物をしようと隣の店に入る。ここでも日本人店員がおり、また、日本語を話す人もいて困ることがなかった。ここでは、ノルウェーセーターを着たトナカイのぬいぐるみを買った。セーターは本物は高くて買えないし荷物にもなるので、ミニを探していたのだ。それがうまくサンタクロースのトナカイと結びついて一発で決めた。
 さて、買い物を済ませて集合の時刻になる頃、土砂降りの雨になった。傘は差さないようにと言われていたので、ヤッケを着込んだ。この雨では上に行ってもあまりいい結果にはならないなあとがっかりしながらも、すぐに止むだろうという思いもあった。今まで結構ざっと降っては止み、またざっと降っては止むということが多かったからだ。

○馬車 1313〜1340 
 さあ、いよいよ馬車の時間。1台3〜4人乗りとなる。馬子はアルバイトの女子大生。馬は、この地方のフィヨルド馬といわれる可愛らしい馬だ。我々はあらかじめ別々の馬車に乗ることにして、3人乗りの方の連続した2台を選ぶのに成功した。いかにも乗り遅れた風を装って。これでお互いの姿を写真に撮ることができる。
 馬車は悪路をがたがたと上り始めた。車輪がギシギシときしんで、途中ではずれるのではないかと不安を持たせるような動きをした。が、周りの景色に見とれるうちにそれは忘れた。
 まず、道の横には沢山の花。それまで見ていなかった花も咲いていた(残念ながら名前はわからない)。さらには遠野を思わせる苔むした大岩。勿論大きな滝、水しぶきをたてる急流は当然ある。
 そんなのを楽しんでいるうちにとうとう氷河が見えてきた。大きくて、青光りをしているのだ。話には聞いていたが、本当に青いのだ。塵が混じってそう見えるらしい。
 そしてこれまた楽しみにしていた最大の滝に近づいてきた。ここは水がかかるので用心をと言われていたところだ。その滝をバックに橋を渡る馬車を撮るのが通。必死にそれを撮ろうと体を縦横に動かしながらチャレンジ。後ろの座席に一人で乗ってる利点を生かして右に左に動いて自由に撮りまくった。それを二人でお互いを写しながらできるので、何ともラッキーだった。
 この滝、濡れますよなんて言う生やさしいものではなかった。ずぶぬれといった方が適切なくらいびしょ濡れだ。毛布とビニールを貸してくれるが、カメラを片手にしている我々にはあまり役には立たない。上下ともヤッケの完全防備にしてよかった。
 途中、日本語の看板もあって驚いた。

○徒歩 1340〜1355 
 馬車を降りてから、45分後には戻って来なくてはならない。15分ほど歩くというので、必死に歩いた。道が細いし、岩がごろごろしている山道なので、馬車は通ることはできない。結局最後は足で行くしかない。といっても、そう急な道ではない。ハイキング程度と考えてよい。ただ足場は悪く、岩だったり砂利だったり水が流れていたりで、最低スニーカー程度でないと、きついことは確か。則が順さんを引っ張って上っていく。

○氷河見学 1355〜1410〜1425 
 こうして氷河の先端部分に到達する。氷河を登るツアーというようなものがあるらしく、完全武装した一段がザイルにつながれて出発準備をしているところが目に入ってきた。そうでもしなければ、氷河に挑戦することは難しいだろう。我々は氷河に触るとか、それを背景に写真撮影をするだけだ。それでも、青く輝く氷河を目前にすることの感激は、ここまで来ないと味わえないものだ。特に氷河が削られて穴のようになっているところは、青い電気でもついているようだった。
 何枚も写真を撮って、下山する。帰路も同行程だ。登っているときにすでに気がついていたが、氷河先端到達を優先して写真を撮ることをしなかった立て札のところを気にしながら降りる。立て札には、○○○○年の氷河先端部分というような表記がある。何故わかったかというと、英語等の表記に加えて最後に日本語表記もあるからだ。このことからしていかに日本人がこの場所に多く訪れているのか物語っている。
 結構早く歩いたつもりだったが、結局たっぷりと45分使ってしまった。

○また馬車 1430〜1500 
 それからまた馬車に乗る。下りなので、さらに慎重になり、ゆっくりと下る。今度は則の方が先になったので、順さんを滝のところで写真に収める。最後に馬子役の女性が、サイン入りのカードをくれたのでそれぞれ10クローネずつのチップを渡して馬車を降りた。

○バス発1515 
 下山して、ヤッケを脱いで、トロル像の前で写真撮影。それからトイレに行って、再びバスの人に。これからバスは港に向けてひた走る。

○トイレタイム coopにて買い物(チョコレート) 1650〜1710 
 およそ1時間半走ったところでトイレタイム。場所の名前を忘れたが、何でもノルウェー・セーター発祥の地らしい。我々は今日は一番前の席だったので、順さんに一番先にトイレに行ってもらい、そのあと向かいの生協へ行く。則はなにか買い物経験をしたかったが、なかなかなくって、結局チョコレートを3つ買った。小さな一袋が、600円程度するのだから、物価の高さを改めて知る。

○フェリー 1830〜1845 
 バスは幾分かスピードを上げて走る。フェリーは30分おきに出ているということで、予定は19時なのだが、30分前に着けることを願って走る。バスの運転手さんは結構慎重で、これまで相当遅い車でも抜かすことはなかったのだけれども、この区間は数台を抜かした。やがてバスはヨーロッパ一長いというトンネルに入る。11q以上あるらしい。
 トンネルを出たところがもうマンフェラー。フェリー乗り場だ。出口近くになって、急に対向車が増えてきたので、フェリーが到着したことがわかった。何とか間に合いそうだ。ところがフェリ−を待つ車が多く、バスは出口のところで車列の後尾に着くことになった。ちょうどカーブしているので、事態がわからず少し不安だったが、結局30分前のフェリーに乗ることができた。ここではバスに乗ったまま乗車。特に見学用の甲板とかはないので、トイレ使用以外は車の中にいた方がよいとのことだったが、物見高い我々は甲板で出航を見学し、到着少し前にバスに戻った。フェリーは10数分で対岸に到着した。

○ ホテル着 1900 
・ ラールダール ホテル 230号室
・ ベッド、ソファー、バスタブ、タオル
・ ベッドライト交換
 対岸にわたると、また少し長いトンネルが待っていた。2本のトンネルをくぐると、またもや海岸に出る。そこがもう今日の宿泊地。19時にホテルにはいる。
 ここでもホテルでトラブル。といっても小さな。則のベッドの脇の電気スタンドの球が切れていたのだ。電球がライトバルブということを辞書で確かめてから、フロントに交換に行く。フロントで交換して貰っている最中に添乗員が来る。何かと聞くので、電球を交換して貰っている旨を告げる。フロントに話をしようとするので、それはもう告げてある旨を言った。だいたいのことは、もう自分でする。まぁ安いツアーなんだから仕方がないのかもしれないが、まったくもう、である。
 夕食はバイキング形式。正確には、ビュッフェ形式だが、今は北欧にいるので、バイキング形式とあえて言おう。食事の後少しホテル前を散策する。未だ明るいのだ。翌日乗るフェリーの乗り場などを見てからホテルへ戻る。といってもホテルと乗り場は目と鼻の先だ。明日は歩いて行くらしい。

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