7月23日(水)曇り一時雨  ソグネスフィヨルド、フロム鉄道、ベルゲン鉄道
 順:体温36.2度・血圧138−88・脈拍80  則:35.9・133−99・64

○起床
 則はやはり4時には起きてしまった。順さんはやや遅くて5時。荷物の整理をしてから、散歩へ行くことにした。

○散歩(木造の家) 0540
 散歩は木造家屋を見に行くためだ。この町にはいくつかの古い木造家屋が残存しているという話を聞いたから。そしてさらにインターネットで、その古い木造家屋が水面に映っている写真を見たからだ。我々はその水面に映る木造の家を探しながら歩いた。前日に、それがどっちの方向で、徒歩どのくらいか(10分)を聞いていたので、迷うことなく目的地に到着した。
 そこには7軒くらいの家が水面に映っていたのだが、それだけかと思っていたら、町の一角全体が古い木造の家を守っている。こうした古い家は、やはりそれなりに造られているので、そして更に愛おしく手入れをしているのだろう、こうして長い間残っている。町全体が、そのことを競うようにしているのだろうか。丁度タイムスリップしたような、あ類は映画の炉セットに迷い込んだような錯覚を与える町並みだった。
 我々以外にも数人が来た。

○出発 0800 
 いつもとおりの朝食を食べてフィヨルド観光への出発となる。この頃になるとまたしても雨。ザーザー降りだ。短い時間だがよく降る。ホテルから徒歩で船に乗船。またしても我々は、今度は船首側だが、左右に席を占めて出航を待つ。絶対に細大漏らさず写真を撮ってやろうという寸法だ。

○ソグネフィヨルドクルーズ出発 0830 
 船は8時半定刻通りに出航。カーフェリーなのだが、運転手は車の方が速く着くからと乗らずに我々の荷物と一緒に別行動。
このラールダールから乗る人の数はそう多くはない。途中のカーバンゲルからこのクルーズのハイライトが始まるので、殆どはそこから乗ってくるらしい。
 港にいたときはそうでもなかったのだが、出航すると猛烈に風が吹いてきた。寒くて仕方がないというほどではないが、ヤッケを着ていても、結構風に吹きさらされて、寒いものがある。手袋もはめた。順さんはマフラーもした。甲板にいる人は我々以外あまりいなくなった。
 風はビュービューと吹きすさび、尋常の神経ではちょっとそこにいることができないくらいになってきた。それでも我々は頑張っていたわけだが、景色の方はそうした頑張りに応えてくれるほどのものではなく、滝などもそうあるわけでもなく、前回のゲイランゲルクルーズの方がよかったように思う。それに、注意事項のアナウンスは多言語であったけれども、様々な説明を聞くこともない、注意事項中心のものだった。
 やがて昨日フェリーに乗り込んだ港が見えてきた。そう思って振り返ると、対岸のフェリーが到着した港も見ることができた。

○カーバンゲル寄港(15分停止、乗客多数) 0915 
 そうこうしているうちに、船は入り江にはいる。とたんに風も収まり、その上日まで射してきて、ヤッケに身を包んでいる状態ではかなり暑い感じになった。言われていたことだが、ここから多数の乗客が乗り込んできた。いつの間にか甲板は多数の乗客で、いっぱいになり、椅子から立って歩くということは不可能になった。日本人がどっと乗ってくるかと思ったが、一団体のみで、こちら方面は少ないようだ。ホテルや食事場所で鉢合わせすることも少ない。しかし外人(?)観光客は結構乗ってきた。ここがフィヨルド観光のメッカであることが判る。
 出航してまもなく、また風が強くなってきた。ヤッケを着ていてもかなり体温が低下する感じだ。それでも、混雑状態は変わらない。みんな頑張っている。といって、我々のように厚着している感じの人は少ない。この床はやや滑りやすい。

○細いフィヨルドに入る 1035 
 フィヨルドは浸食作用で切り立った壁ができているわけだが、かなり大きな船までもそこを通れるということは、ある程度幅もなければならない。船が進むにつれて、そしてその奥の更に支流に分け入るに従ってフィヨルドの幅も狭まってくる。かなり幅の狭いところにやがて船はさしかかった。この時一度、フィヨルドの説明があった。といっても、5〜6カ国語で放送するわけだから、大変だ。この頃になると、強風に体が慣れてきているのを感じた。
 ソグネスフィヨルドは世界で一番長く、また深いところになると1300mもあるそうだ。カーバンゲルから1時間も進むとやっと浸食作用の激しい部分になり、切り立った崖や急角度で落ちる滝などが見えてくるようになった。なるほど、これなら途中乗車でもいいのかもしれない。

○寄港7名降りる 1100 
 船は小さな部落の小さな桟橋に横付けした。船の舳先の車の出入りする部分ではなく、船の横の方にあるドアを開けて何人かが降りた。おそらくこの部落は、陸路からの交通手段はほとんどたたれているだろうと思われるような場所だ。バンガローのようなものがいくつか立ち並んでいる。そこの女主人であろう人が出迎えに来ていたが、下りた人たちはここでどんなことをして過ごすのだろう。大きなリュックを背負っていたから、ここから登山でもするのだろうか。それにしても、ちょっとの平地があれば人は住み着くものらしい。ジャガイモを栽培しているのが見て取れた。

○下船 1130 
 そこからUターンして別の支流に入ると、まもなく下船する町が見えてきた。途中左折するとフロムへ着く所を右折して、グドバンゲンという所へ着いた。この辺りは切り立った山と落差の大きい滝というお決まりの景色があった。何度見てもこのほうが見応えがある。それにしても、あれだけ急に落ちている滝が、フィヨルドに流れ出るのは静かなのが不思議。途中から地下へ潜り込んでしまうように思われるところが多数有り、直接流れ込んでいるところもよく見ないと水しぶきも上げていないのでわからない。あの勢いはどこで消されてしまうのか。順さんは不思議を連発して何とか答えを見いだそうと必死に岸を見ていた。下船するとすでにバスは待っていたので、直ちに乗り込んで出発をした。

○花嫁のベールの滝 1140 
 再度バスに乗り込んですぐに、花嫁のベールの滝と言われているところを見た。3筋程度の滝が流れ落ちているところで、その清楚な感じからそう名付けられているのだろう。

○フロム着 1200 
 ヨーロッパ最大長の長い長いトンネルを抜けると眼下にフロムの町並みが突然開ける。クルーズ船や鉄道の駅のある、大きな町だ。我々はここから電車に乗ることになる。この旅の楽しみの一つだ。
 写真はそのトンネルに入る直前の車窓からトンネル入り口をねらったもの。

○昼食(フォーリコール)1200〜1240 
 昼食はフォーリコールというキャベツと羊肉の煮込みのようなもの。においがあって、順さんはあまりおいしくはなかったようだ。
 写真は、取り分けたあとなので、何処かボールが寂しいが、則としてはまぁそれなりに美味しかったと思っている。

○フロム鉄道乗車(8号車・自由席) 1453 
 さて、その後少し自由に過ごした後、いよいよ乗車。席は自由だが、号車は指定されていた。右か左かどちらの席に座ればいいか皆作戦を練っていたが、しゃあしゃあと「それは左でしょ。地図を見てごらんなさいよ。」と言っている人がいたが、その人はしっかり我々と同じ右側に座っていた。おかげで横入りをして順さんをむかっとさせた女の子は左側に座っていた。
 やはり右側の席がよかった。変化に富んだ景色を堪能することができたからだ。ただ、お天気がよすぎて写真撮影には不向きだった。ガラス越しなので、我々の影が映ってしまうからだ。

○ ショースの滝(伝説の赤い女出現) 1530〜35 
 暫く行くと電車は止まり、滝の見学のために下車となる。あまり広くない場所へ皆が争うように場所取りに走る。ただ下が滑りやすいので要注意だ。それぞれで写真を撮っていたが、数少ないチャンスを生かして三脚を使って2人の写真もしっかりと撮った。混雑していても待ってくれる周りの人の阿南と心の広いことと感謝。
 そうこうしているうちに優美な音楽が流れ、何事かと思ったら、赤い服をまとった女性が登場した。これは伝説に基づくもので、毎回必ず現れるのではなく運に左右されるのだが、何とついていること。ただ、あまりにも突然だったために、撮影を終えかけていた人も多く、我々もいい写真は撮れなかった。

○ ミルダール着 1555 
そうこうしているうちに電車は終点のミルダールに到着。次の電車に乗り継ぐべくホームを先へと進んだ。予定では、1547分着、57分発というものだが、少し遅れたので忙しかった。

○ベルゲン鉄道 ミルダール発(445号車・21,22番) 1600 
 この電車は、ただベルゲンへつくだけのために乗るのかと思っていたので、周りの景色はあまり期待していなかったのだが、なかなか素晴らしい風景が左右に広がる。それまでの険しいものでなくなだらかな山と緑。湿原地帯というように、これまでとはちょっと違った風景が、却って目新しく映った。

○ヴォス着 1640 
 ヴォス駅でバスと遭遇。ここではトイレに行列。有料というので、則が駆け回って都合をつけてくれたが、結局はドアを押さえたまま次の人が出入りするということにしたので無料で済んだ。悪いとは知りながら、どうもトイレにお金を払う習慣のない日本人にとってはお金を払うということは損をしたようで馴染めないものらしい。

○ヴォス発 1700
 やっと全員がそろったところでバスは出発。途中、17時30分にダーレという織物の町を通過。発電所もあるらしい。

○ベルゲン着 夕食(サーモン料理) 1830〜2000 
 ベルゲンへ着くとまず夕食。サーモン料理といっても、マス料理の時もあるわけで、見た目は同じだし料理の仕方も同じなので、いい加減飽きてきた。しかも大味で美味しくない。

○ホテル着 2010 
・グランド テルミナス  534号室
・ ベッド、ソファー、シャワー、

○就寝 2200 
 メンバーの半数近くが、展望台へのロープウェイに乗りに行った。私たちは例によってパス。風呂に入っているとかなりの雨脚の雨が降り出した。どうなったのだろうか。そんなことを思いつつ床についた。

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