三度目の韓国

三度目の韓国に


何故かこの時期に韓国へ

 勿論、竹島問題が持ち上がってから決めた韓国旅行であった。日程的な問題があって、つまりこの時期余り日本を空けられない事情があって、数日で出かけられる場所を探していて、このような時期の旅行になった。もちろん、中国は別問題にしても、例えばハワイやフィリピンなど一週間足らずで訪れることの出来る外国は未だ存在する。だから、何もこのような時期に無理して韓国に行く必然は余り見当たらない。それこそ、日本にだって未踏の世界遺産はあるのだから。
 つまりは余り必然的ではなかったが、あえて言えば、日本からの観光客は少ないだろうから、のんびりと行けるのではないかと思っていた。余り思慮深い選択ではなかったとは言えると思う。あえて言えば、次に述べる特別なイベントがついているツアーだったからに他ならない。

目的は世界遺産とお祭り

 目的はやはり世界遺産。韓国初めてを訪問した時からだいぶ時間が経過していて、その時から韓国は世界遺産の数を3つほど増やしている。そのうちの一つは、チェジュ島の世界遺産で、これは二回目の韓国旅行で訪れているので、残すはあと二つ。これらは大陸側にある。
 今回利用したのは別途述べるが、前回のフランス旅行に引き続き、国内旅行の大半で利用しているC社。そして何故この旅行を選んだかの今ひとつの理由は、10月27日にのみ与えられているこのツアーの特典、『金山寺にてC社パンソリと伝統音楽祭へご案内』『世界遺産安東河回村にてC社オリジナル安東仮面祭り貸切イベントへご案内』ということがあったからだ。他の日でも、後者については該当する日があるのだが、前者については10月27日出発のみに与えられた特典で、従ってこの両者を満足させる日はピンポイントで、10月27日だけであった。そして、逆に言えば、わざわざこうした特別な日程の27日を設定したからには、この日はツアーキャンセルはないだろうという判断も同時に働いた。
 そして行って見て分かったことだが、これらの特別なイベントは韓国観光公社の後援などを全て受けたものだった。11月1日から始まるキャンペーンの魁として行われたもののようだ。世界遺産の場所を巡るともらえるスタンプ手帳(日本語)、観光地の20枚の切手セット、それから世界遺産を訪問したというそれぞれの名前入りの観光公社の証明書などを受け取った。

久しぶりの弾丸ツアー

 さてこの旅は夕方に出かける。それも羽田発だ。羽田を夜の8時前に飛び立つ。こうしたツアーは現役の頃よく選んだ。何故かと言えば、羽田発ならなおさらのことだが、仕事を終えてから、あるいは1~2時間程度の休暇を取ってから出かけることが可能だからだ。休暇をあまり使わないで済む。金浦には22時過ぎの到着で、おそらく就寝時には日付が変わっていることだろう。
 そして帰国便は金浦空港なんと9時発。ホテルを出るのはいかばかりかと、想像するだけでぞっとした。深夜便で前日帰るよりも、ホテルに泊まっても飛行機代がそれだけ安いのだろう。
 と言うわけで、4泊5日といっても、実質3日間の韓国旅行になった。
 先にも書いたが、今回もC社。何故か最近この会社を最近選択することが多い。まぁたぶん、理由は、金銭的なものが大きく寄与しているとは思う。韓国は前の二回ともそうだったように、添乗員無しの、現地係員のみの旅行だった。だから、C社の及ぶところはあまり期待できないかったが、まぁそれは仕方の無いことだと割り切って出かけた。それに、時期も時期だし。

韓国は危なかったか

 時期も時期だしと書いたが、さてこの時期韓国に行くにあって、一番の関心事というか、周りの関心事はここにつきた。まぁ正直言って、竹島と尖閣諸島では事情が大きく異なる。竹島は残念なことだが、韓国が事実上実効支配している。こうした点から見ても、事前に問題は感じなかった。それよりも何よりも驚いたのは、便数を減らしているからのかどうかわからないが、飛行機は往復ともほぼ満席状態だった。
 実際問題、何かを感じることは皆無だった。今回は韓国観光公社が絡んだイベントが3つもあったので、地元の人とも幾分か接点がある旅行だったが、少なくともそうした場面でフレンドリーで無いようなことは全くなかった。安東近郊で、ミニサイクリングを行った時に、我々は写真などを撮っていたためにしんがりになったが、最後まで地元の自転車クラブのリーダーが我々に付いてきてくれた。ゴール近くのトイレに入った時も、じっと待っていてくれた。
 こうした点を見ても、残念ではあるが実質支配をしている韓国が、何故に竹島を声を荒げて主張するのかわからないが、不毛な話は両国の理にはあらずと改めて感じた。
 ただ竹島問題は別として、今回の訪問地では、かなりの文化財が秀吉の朝鮮出兵によって焼き討ち破壊されている場所が多く、欧州史などを考えればやったりやられたりは日常茶飯事だった地域と違い、比較的国家の基盤の変わらなかった東アジアにおいては、やはり合併を含めて特異な歴史であったことを改めて感じさせられた。

実験的意味合いの強かったツアー

 我々の旅行代金は、その滞在中の全てを含めても、二人で10万ほどだった。勿論殆どの食事で飲んだし、ケチな我々ではあるが、そうけちったところは無かったはずだ。最終日の夕食だけ、コンビニで済ませた以外は。
 それでいてかなりの盛りだくさんの行程だった。
 この背景には、先にも触れたように韓国観光公社と利用したC社との観光誘致実験の要素が強い旅程であったことがあるだろう。仮面劇や仮面劇に使う仮面の製作体験などには日本の観光会社であるC社や韓国側のスタッフなどかなりの数が参加していた一方、仮面劇の時に観光客は我々以外も含めて集められた人数は80人程度だから、これだけでも相当のコストはかかっていただろう。サイクリングも、安全を重視し、膝・肘にプロテクトをして、頭にはヘルメットをかぶっての実施だった。勿論要所にはスタッフがいた。
 総じて言えば、こうした仕掛けは、韓国観光公社(ここはカジノなども経営していて予算的にも潤沢らしい・・・E社の人が韓国観光公社はお金持ちと言っていた)の協力無しには出来なかったし、C社の方も他の会社(特にH社)と差別化するためにも、持ち出し覚悟だったのであろう。
 だから、今回の旅について言えば、そこいらあたりを幾分か差し引いて評価しなければならないだろうとも思う。また、こうした現地政府関連機関の後援するようなツアーが見つかれば、今後も格安で参加が可能と言うことにもなるが、こうしたツアーを見つけられるかどうかはわからない。

最近やはり他人が気になる これでいいんだろうか?

 今回のツアーは実質3日くらいのものだから、メンバーがどうであっても、そう気になるようなことは無かった。しかしながら、毎回毎回遅れてくる人がいて、かなりみんなのひんしゅくを買っていた。それでも本人は気にすることも無く、大声で周りに声をかけるご婦人だった。
 時間は貴重な時も有るから、周囲も陰では悪口雑言状態だった。
 自分たちが連れ合いがいるからと言うわけでもないが、どうもシングルの人たちが気になる。旅行に来ているのか、おしゃべりに来ているのか・・・まぁたぶんその両方なのだろう。しかしながら、宿舎の話などをガイドがしていても、お構いなしに話をしている。それでいて、あとで聞いていなかったが為に質問をする。
 人数が多い団体旅行であれば、なおさらのこと、団体行動が期待される。そこの所をわかったもらわないと。本当にこれでいいんだろうかと思ってしまう方が、残念がらいる。
 たぶん、これが一週間以上の旅となれば、問題になっていただろう。