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2000年12月30日(土) シェルハー・トゥルム遺跡・カンクン

・・・暫定版で写真掲載の際に大きく変更される可能性があります

 【常夏のリゾート地へ】今日の出発は早い。さすがの我々にもちとつらいものがある。が、オーバーブッキングを避けるために早めに空港へ行きたいと言うのでしかたない。5時半にはもうバスの中だ。6時にはベニートファレンス空港到着。そこでしばし待つことになる。朝早いので寒さ対策を、という添乗員の言葉を無視して半袖にした我々にとっては、つらい時間となった。やっとチェックインが終わっても、まだ時間がある。しかもまだ搭乗ゲートが分からないので、総合待合室へ移動して朝食のお弁当を食べる。どうせタコスかサンドイッチのようなものだろうと思っていたが、なんとおにぎり。それに付け合わせの白菜の漬け物など。感激の一時であった。
 やっと7時50分に搭乗手続き開始。ボーイング757機。座席は3ー3だが、我々はエコノミークラスの最前列7ABのため、2人席だった。やや遅れて8時19分にメキシカーナ航空MX371便は動き始め、8時29分には離陸。無いと思っていた機内食が9時には出てきたので、お握りを食べたばかりの身にはつらいものがあった。10時1分カンクンの空港に着陸。10時25分にはバスに乗り込む。高地のメキシコシティより標高0メートルの海岸縁に出て、暖かい。やっと半袖が報われた。
 11時45分シェルハー到着。ここは人の手で開発された一大リゾート地。南国風の造りの建物や植物などが整備されている。また、所々に休憩所があって、くつろげるようになっている。ここでは泳げるというので何人かはそうしたらしいが、そんな物に縁のない我々は写真撮りまくりタイム。空も海も、澄んでいて何とも言えないくらいきれいだった。当然海の底まで見ることができた。海岸近くまで行って初めてイグアナと対面。近づくとさっと逃げてしまって思ったよりすばしこかった。グロテスクな形をしているのに、むきになって追いかけてカメラを向けるのは何故?イグアナに満足した後、順さんは波と戯れ裾をぬらしてしまったが、海の水は温かかった。また湾内には海に人造物と思わしき石があり、マヤ遺跡のものと思われた。13時20分から昼食。スパゲッティ・トルティーヤ・ピラフ・とり肉のソテーなどのバイキング。食後の14時15分出発。

 【トゥルム遺跡】14時30分トゥルム到着。ここは海岸にある遺跡だ。トゥルムは貿易の中継地的要素を持った町であったようだ。ここの駐車場は遺跡からちょっと離れているので、トラクターで黒部のトロッコ電車のようなものを引っ張る乗り物に乗ることになった。5分くらいで到着。
 神官の冠の形が残っているフレスコ画、あるいは1F中央のそれは、蜂蜜の壺を持って逆立ちしている神が描かれている神殿を見る。手の形のようなものペタペタのこされているが、それは空の神ザンマというものらしい。また、かなり風化した石の碑もあった。
 次の建物は、1Fの柱の向こうの壁に黒い絵あり。イスチェルという、月の女神とも、薬とか出産とかの女神ともいわれる女神が機を織っている像があるというが定かではない。
 建物に使われている円柱は、四角い石から周りを削ったというものもあるが、沢山の輪切り状態の石を積み重ねているものもある。エルパラシオ宮殿がそうなっていた。また一部に朱が残っており、それが全体赤色にかつてはぬりあげられていたことが想像される。だいたいマヤ遺跡の多くが朱で彩られていたらしい。
 エルカスティーリョ、はそれがかつて灯台に役割を果たしていたことが確認されている。2つの穴があり、大きいほうは全体を照らし、小さいほうは航路を示していたという。実験すると1キロくらいの範囲で実用的だということであり、またその距離に渡って海底のサンゴ礁がけづられて、航行が確保されていたことが分かっているという。
 子どもの形をした穴が開いている。子どものいけにえがささげられたことが分かる。9月生まれの、特に男の子の双子がいみきらわれたそうだ。9月は雨期から乾期に変わる季節で、悪魔の子どもとされたためだとのこと。
 カスティージョを挟むような形で風の神殿と海の神殿が建つ。角度の関係であいにくと風の神殿はよく見えなかったが、海の神殿は絶壁の上、青い空と緑の海をバックに見事にその姿を見せていた。ぐるっと回って、海の神殿にのぼり、エルカスティーリョを望む。
 そこの風景は素晴らしかったので、まだ見ていたいという気持ちをそこに残して急かれるように次の泉の神殿へと向かう。ここは要するにセノーテと同じく泉なのだが、それを覆い隠すように神殿を建てたというところが変わっている。建物自体は崩落がひどくあまり原形をとどめていなかった。
 3寺50分に出発して、今日のホテルに向かう。

 【シェラトンだけれど】内海との間に広がった広大な砂州の上にホテル群は立ち並ぶ。ダウンタウンとの間には五ペソで乗れるという巡回のバスがひっきりなしに走っている。巨大なマイアミに似せて当時の大統領の号令のもと短期間に完成した巨大リゾートで、いまではカンクンは世界中に知れ渡った土地。メキシコシティーを訪れる日本人は年間に1万だが、カンクンにはその3倍もの人が訪れるという。つまり今日はここにも沢山の日本人が滞在しているということだ。
 17時30分に今夜の宿のカンクンのホテル「シェラトン」着。いわずと知れた系列の高級ホテル。仰々しくも、契約のためなのだろうか、宿泊者全員にサインを求める。しかし我々もこうしてシェラトンはじめ高級ホテルには何度か泊まった経験があるが、他のそれと違ってどこかしら洗練されたところが無いようだ。いい加減な我々は添乗員の訪問にもOKを出してしまったが、電球が切れているところが二箇所もあったり、洗面所にコップが無かったりで、いまいち。それにこうしてタイプするための机や椅子さえない。リゾートホテルでも、葉書くらいは書く。それに夕食を食べたイタリアンレストラン。ホテルのロビーに隣接してあるが、スパゲッティを炒める強烈な大蒜の匂いがロビーにあふれ、豪華さを低めている。アメリカ人が中心で、こうした大味の感じでもOKなのだろうか。
 食事は7時からと今日は早い。その後、売店に行って本を購入。VISAで支払い446ペソ。「古代のメキシコ」「マヤの3000年」という、ヨーロッパなどでも売られている正方形に近い観光解説本。これが意外と優れもので、この日の後も順さんは夢中になって読んでいた。9時過ぎには風呂に入って寝た。廊下が大理石なこともあるが、一晩中靴の足音がうるさかったし、ドアの開閉の音が響いた。水周りもうまく設計されていないので音がする。でもけっこう深い眠りについた。

 【ホテル】シェラトン 0146号室

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