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☆1999年12月29日(火) 第四日目

08:00 朝食後、バスでイスラム文化の中心地フェズへ向けて出発。
09:30 ワザ−ンにてトイレ休憩。
11:00 ローマ時代の遺跡 ヴォルビリスを見学。浴場、フォーロ(フォーラム)、バジリカ、
     ジュピター神殿、カラカラ帝の門、メインストリート、住居街など見学。(〜12:00)
12:30 ホテル ヴォルビリス・インにて昼食。(〜13:50)
14:15 丘の上に白い家がぎっしりと立ち並ぶ、モロッコ最初のイスラム王朝がおかれた
     ムーレイ・イドリスの美しいパノラマを楽しむ。
14:45 ムーレイ・イスマイルの築いた古都メクネスを見学。ムーレイ・イスマイル廟、
     マンスール門、ヘディム広場など見学。
15:40 フェズへ向けて出発。
17:00 フェズ、ホテル着


☆朝から大騒ぎ
 3時30分過ぎ、突然ラッパと太鼓の音が街に鳴り響いた。祈りの時間なんだろうか。その音はときに近くに時に遠くに聞こえる。我々のホテルは街から少し斜面を登ったところにあり、下界の様子はあまりわからないが、40〜50分ほその音は続いて、そして少しずつ遠のいていった。そのあとラッパの変な音が始まった。どんな風かと言うと、テレビドラマの「太陽に吠えろのテーマ曲」の出だしの「たたたーんたた」までの繰り返し。我々が聞くと少しも前に進まない苛立たしさがあって、何とも切ない。
 そうこうしているうちに5時30分過ぎサイレン。そしてすべては沈黙の中に没した。日の出前の祈りの時間なのか、引き続くラマダン時間の前の最後の餐にありついているところなのかは知る由もない。
 さて我々自身の朝食はオレンジジュースにパンとコーヒーとゆで玉子というヨーロピアン・ブレックファースト。のんびりと出てくる。その後8時に出発。

☆雨の中を出発
 今朝もちょうど登校時刻らしくリュックを背負った子どもたちをたくさん見かけた。色とりどりのリュックに洋服。子どもを見ている限りにおいてはヨーロッパとも日本とも変わらない。それにしても学校はあちこちにあるらしくこういう子どもたちをたくさん見かけた。もちろんみんな歩き。
 しばらく走ると雨が振り出した。止みそうになるとまた雨脚が強くなるという感じで、雨期とは言ってもとタカをくくっていたのに・・・という感じ。が、地元の人はほとんど傘というものをさしていない。さらにしばらく走るとその雨に濡れながら大勢の人が一方の方向に歩いてるのを見た。週に何度か開かれる市に行くのだと言うが、ほとんどの人は歩き。中には驢馬や耕運機に乗っている人たちもいたが。とにかく半端な距離ではない所まで歩く。こちらの人にとってはそれもまた楽しみの一つなのかなと思った。
 途中でトイレ休憩をした。出発のころになるとまた雨脚が強くなった。それでもようやく晴れ間が見えて来たなぁと感じたころ、11時ヴォルビリス着。

☆野原の一軒家?
 遠目にはそれほどの印象はなかったが、近づくにつれまぎれもないローマ遺跡がガーンと目の前に現れた。遺跡をぐるっと回ったが、もう少しゆっくりと見たい。が、そのようなわがままはツアーでは許されない。
 それにしても、ローマ時代の遺跡と言うのはどうしてこうも形式が統一されているのだろうか。強大な権力をその背景に感じなくもないが、我々のような素人目には全く同じように見える。ここの特徴をあえていえば、金持ちや支配階級の家の床に施されていたタイルのモザイクだろう。焼き物という形を通じ、今日までその美しさを通して繁栄していた時代を眼前に呼び起こしてくれた。それにしても紀元後数世紀のものがここまで鮮明に我々の目を楽しませてくれるとは。それから初めて見たものにスチームバスの蒸気を送る配管の部分がある。個人の家のものなのか後のハマムにつながる公衆浴場的なものなのか聞き忘れたが、多分後者なのだろう。ここのメインの一つのカラカラ帝の門は、保存状態もよかったが、おしむらくはカラカラ帝のレリーフが残っていなかったことだろう。そこからそこからずっと続くメーンストリートには、なんと地下に下水道があったというし、商店街や水飲み場もあったりしてその賑わいのほどを伺わせた。庶民の町の部分をもう少し散策したかったが盛り沢山のメニューの中ではいたしかたない。文字通り後ろ髪をひかれる思いで遺跡を後にした。ここの見学時間はほぼ1時間。旅行の本にも書いてある通りの時間だったのだが、我々にはちょっと少なかった。
 その後、入り口付近にある土産物屋を覗く。アンモナイトや砂漠のバラなどがならんでいた。きれいに磨かれたアンモナイトの石を2つ100DHで買っていた人がいた。我々みたいに買わないんだからチップチップとしつこくいわれるのもいれば買ってもチップチップとねだられるものもいて、結局のところこうしてお金をしぼられることになっているのだな、この国では。(ここが一番しつこかった)

☆一休みして メクネスへ
 12時20分から約1時間半ほど時間をかけてゆっくりと昼食。ヴォルビリスの全景が見える丘に作られたホテルで食べた。メニューはここでもヨーロッパ風のもので、ワインを飲むには都合がよいが旅人の身には少しつまらない。このホテルの名誉のために書いておけば、炒めたそぼろ肉のクレープ包みはおいしかった。またここで初めてアラビアパンを味わった。それからワインのラベルを例によって剥がしていたら、ウエイトレスが寄ってきて、剥がしてくれると言うことで剥がしてもらった。ほかにもこうした客がいるのだろうか・・・?
 13時55分から約5分間はムーレイイドリスを見下ろしてパノラマを楽しむ。たくさんの観光写真が同じ風景を写しているので、どんなにか広いところかと思ったら、足を滑らしてしまいそうな崖の上のバスが1台か2台しかとまれない場所であった。このまちは町事態が神聖な場所なので、我々異教徒たちはこうして遠目にその聖地を拝顔するしかない。それにしてもこの国の回教の規律は厳格だ。これまでいった国では、異教徒でも祈りの時間にあたらなければイスラム寺院に参詣が叶ったのだが、ここではカサブランカのハッサン2世モスクなどを例外にして、全て不許可。その上この町のように町全体が異教徒の侵入を拒絶するところまであるのだ。

☆メクネス到着
 また走って14時35分にはメクネスの町に入る。14時45分から20分ほどイドレス廟の中にはいって見学をする。唯一異教徒でも見学できる場所だそうだ。中はハンドメイドの飾りで飾られ、素晴らしかった。このモスレムは我々のこれまでの経験と少し違うものだ。モスク事態が入り口から小部屋で仕切られている感じで、さらにもちろんこの町の創始者のムーレイ・イスマイルの遺体の安置している脇の部屋にもミハラブはあったが、靴を脱ぐ場所の前の前庭とも言うべき部分にもミハラブがあった。モスク事態は全体をイスラミックタイルの破片で構成したモザイクで、文化的な価値も高いものだとの印象をもった。
 ここで、話しに聞く写真やさん登場。勝手に写しまくっていた。お返しに順も彼を写した。外に出ると例のきんきらきんの水売りがいたが、写真をとるとまたお金を要求されるので遠目で失礼。
 それから10分ほど歩いてアル・マンスール門へ。きれいだと聞いていたが、色があせてしまっていてそれほどの感激はなかった。それよりもその前のヘディム広場の活気のほうが興味をひかれた。ちょうど市が開かれていたのだ。少し自由時間があったので、その辺を散歩し、最後に店(スーク)にいった。ここもすごい。物珍しそうにしていたら、客の一人が多分、写真をとれといったのでシャッターを切った。

☆フェズは日本人でいっぱい
 15時40分にバスに戻って、新しくできたばかりの高速道路を走ると、16時30分にはフェズの街に入った。ここには集合住宅(アパート)が立ち並んでいた。今まであまり高い建物を見なかっただけに新鮮だ。
 ということで17時にはホテル着。何と周りは日本人ばかりだー。興ざめ・・・・
 夕食は7時半から。日本人のグループは我々も含めて3つ。ほかに金髪さんたちがいくつか。我々のグループはけっこうドレスアップしていたが、ほかはどうでもいい格好。天下のシェラトンも団体には勝てないということか。食事はバイキング。人が多すぎてすごい行列。順が並んでる間に則はワインの注文。よくわからずに頼んだら、昨日のと同じだったので、御免と言って違うのにしてもらう。それにしても相変わらずよく飲む。
 さて多分このホテルのメインレストランと思われるところだが、ラッシュアワーの状態で、しかもその半分は日本人だ。それにしても何とも不可思議なのは、同行の人々の食欲だ。我々もよくあんなワイン騒ぎをしていると思われているから仕方ないが、ふだんのお仕着せの食事は食べ残すくらいなのに、そして供されている食事がこれと言った悪いわけではないのにもかかわらずだ。明日もここで食べると言うから少しうんざりした気分。明日はもう少しゆっくりとワインを楽しむことにしたい。
 ところで今日飲んだワインだが、ホテルの格の問題で倍か倍以上の値段が付いていたが、その分良好な保存状態とちょうどよい温度での提供があり、味も最高だった。それにしてもここの応対をしていたウエイターは、指定したワインをとり消したりするこの客をうるさいと思ったのだろうか、ティスティングの最中にもう順さんに既に注いでいる状態で、おかしかった。またその彼によればベストワインセラーなのだと言うことだった。
 半数以上の人が帰った頃、ベリーダンスが始まった。こんな所でと思ったが、この辺のサービスは卒のないところだ。会場を回るうちに則の所にも来て個人的なサービス。これで今夜の則はぐっすりと眠れるだろう。

★ホテル
 SHERATON(シェラトン) , AV.DES FAR.BP2489 30000 , Tel 5−930909
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