ポルトガル国旗小 8月20日(金) さあ出発だ

○成田への道
 今回は少し荷物が多い。中形のスーツケースと小型のそれの2つ。駅まで普段だったら10分もすれば着くのに、20分も費やしてようやく着いた。9時少し回ったところでまだラッシュの名残りがあって、電車を数本やり過ごしてから乗った。新宿駅には9時20分ころに着く。飲み水を仕入れてから、成田エキスプレスのプラットフォームに向かう。
 電車の中で、スーツケースの持つ所が壊れて往生している人を見かけた。この人のは横のも縦のもそして最後の頼みの綱の腕(引っ張るために長さの調節のできるようになっている所)も壊れて気の毒にと思いながらうすら笑っていた。が、まさかそれがわが身にふりかかるとは・・・
 集合時間を少し過ぎてから成田到着。急いで集合カウンターへ行く。再集合はそれから20分後。うろうろしていて時間を過ごしてから、集合場所へ向かい、搭乗券などを受け取る。今回は50のGH。また窓際ではなかった。最近窓際に座ったことがない。(写真は新宿駅で成田エキスプレスを待つ則の姿)

○エールフランスは食にこだわりがある
 離陸時間は13時20分。12時発のエールフランス機が30分過ぎても駐機場から動かなかったのに比べればかなり早い離陸となった。25分くらいしてほぼ水平非行に移る。このころ食事のメニューが配られる。なんと日本語。成田発ということもあるのだろう。日本人乗務員が2人乗っていて、日本語の案内も頻繁にあるので不安は全く無い。といっても添乗員付きの旅だから困ることもないのだが。機内は少し寒いくらいの温度設定で、毛布を肩からかける。
 飲み物のサービスが始まったのはそれから少し後。白と赤のワインを飲んだ。白は適度に冷やしたあって、さすがと思った。その後に食事。メニューは写真の通り(メインは2人分)。味はまぁ普通だったが、チーズ(日本製)がおいしかった。その後酔いも手伝って寝てしまって、17時過ぎに目を覚まし、機内を二人で散歩する。後にも先にもこんな人は見かけなかった。17時40分ころ水のサービス。順さんは放映されている映画に夢中。といっても順さんのイヤホンが不良のため、則のを借りて聞いているので不便。トルコ航空のときにはいったらすぐに直してくれたのに、ここは言っても困ったような表情を浮かべただけで行ってしまってそのあと音さたなし。イヤホンだけでなくライトも着かないので全く不便。これを書いているのも隣からもらいライト。さて、その映画だが、アメリカの恋愛ものなのだが、なんと日本語の吹き替えでやっている。いやあ、これで順さんの夢中になっていたわけがわかるだろうというもの。
 可笑しかったのは、前の日本人のあんちゃんが日本人のアテンダントに食事は未だかと聞いたこと。14時ころ食べて17時にもう腹がすくのは若い証拠か。アテンダントは紙に包んでサンドイッチを少し運んできた。
 18時(日本時間)を過ぎても外はまだたいへんあかるい。現地で言うと何時くらいになるのだろう(パリ時間で11時)。まだまだ先は長い。則が本を読み始めたので順さんも読む。
 19時30分に夕食のサービスが始まる。さっき食べた感じで、まだお腹がすかない。さすがにパンには手をつけなかった。パンといえば、予めついてくるパンはフランスパン状の固いものだが、必ずやわらかいパンがサービスされる。フランスの食にこだわる国民性のなせるるわざのサービスか。この航空会社はミネラルが予めカップ状の容器でついてくる。これとは別に飲み物が来る。ありがたい。
 あと約5時間でシャルル・ド・ゴール・空港に到着する。全行程の半分近く、この飛行機の半分の行程は既に切ったことになる。食事が終わるとトイレの長い行列。機内の温度もあがってきた。
 20時30分ころ添乗員の岡崎さんが回ってきて、フランスのイミグレーションカード(だと思う)をくれた。全部印字してある。ここの旅行社を利用してツァーに行くと旅行ができなくなるとつくづく思う。なんでもかんでも早手回しにしてくれてしまう。そんなわけで、辞書や地球の歩き方と首っ引きで書く手間などは全く無い。その分旅を楽しんでくれというわけだろうか。おそらくこれでEUだからポルトガルへの入国はイミグレションは要らず、パスポートコントロールでパリのスタンプのページを見せれば済むのだろう。
 さてさて時間と言うものはなかなか経たないものだ。今日本時間で9時25分。だいたいこれでようやく10時間が経過した勘定になる。則は順さんを連れ出して再び機内散歩へ。窓から点在する島とか陸地がほんの少しの間だが見えた。ただスクリーンに現在位置が表示指されるタイプの飛行機ではないので、いったいそれが何処なのかは定かではない。席へ戻ってから則は迷路をやって時間をつぶし、そのあと更に散歩に行っておにぎりを仕入れてきた。いざというときの食糧にするつもり。
 飛行機はさらにパリへ向けて飛ぶ。先ほど地図が画面表示されないようなことを書いたが、実は機能はあるようで、ほんの一瞬その画面がでた。要はそうしたものを写す方針に無いだけのようだ。フランス時間15時30分(日本時間だと23時30分)ころに機内のやや後方に設けられた喫煙エリアにジュースを飲みに行く。ここには常に人がたむろってるが、必ず日本の救援隊(?昨日大地震のあったトルコへ向かう?)の人たちがいた。
 もってきた単行本形式の「河童が覗いたヨーロッパ」も読み終えたころ、ようやく定刻到着時間の1時間前になる。此の少し前に入国カードが配られたが、なんと日本語であった(添乗員さんが予め作ってあったものはフランス語の下に英語が書かれているもの)

○ドゴール空港での乗り換えは綱渡り
 予定より早く、17時50分到着。ここからが少々厄介な乗り換え。シャルル・ド・ゴール空港は新しい空港。明かりを十分に採り入れるように造られていてなかなかおしゃれな空港だ。さすがにパリ。ここはターミナルが6つにも分かれている。到着したターミナルはCで、ポルト行きの便はFから出る。この間は専用のバスで移動。これは分かりずらい。定刻より早く着陸した分時間があったわけだが、右往左往していて結局我々が機内に乗り込んだのは定刻の10分前。けっこう忙しい移動。(写真はターミナルFの待合室での順さん)
 ポルト行きの飛行機は駐機場からは定刻に離れたが、離陸をしたのはそれから20分後の18時30分。利用機材は小型のもので、1列3・3の20列の機体。最近国内線でも国際線でもジャンボジェットしか乗っていないので、新鮮な感じだ。我々の席はくじに外れて通路をはさんでと言うことになった。ひいたのは則。外はサマータイムを採用しているとは言え、まだまだそうとうに明るい。
 定刻に動き出す。時間にうるさいのは日本人の特徴かと思っていたが、どうしてどうしてフランス人もなかなかのものだ。
 離陸して20分もすると食事のサービスが始まった。みなおんなじメニューのようだ。この路線ではシャンパンはないと聞いていたが、あった。と言って飲むわけではないが。で、結局二人ともワインを頼むが、もらったワインの種類が違う。内容は同じようなものだったが。食事はもういいなぁと思っていたが、味つけが変わったという点もあるだろうが、二人ともけっこうそれなりに食べた。それにしてもフランス人たちのうるさいこと。後ろのT列がほとんどそうなのだが、おおきな声でしゃべりっぱなし。良くもまあそんなに話すことがあるもんだと想う。
 食事が終わるといつも何か1時間が過ぎていることに気がついて助かるなあ。気がまぎれる。予定では8時20分(ポルトガルサマータイム実施時間・日本だと21日午前4時20分)到着だが、出発が遅れた感じだからどうなるものやら。これ以降はすべてポルトガル時間で表記。17時40分ころトイレに経つ。下界を見ると海を飛んでいる模様。17時50分ころ島影が見えてきた。やがて陸地も。二度目のイベリア半島だ。未だ陸地はスペインだろうが、最早ポルトは目の前だ。まだ外は十分に明るい。20時過ぎ機体が下降し始めたように感じたら、アナウンスがある。20時7分シートベルト着用サインが出る。定刻より10分遅れて着陸。

○荒っぽい出迎え?
 飛行機から降りてバスに乗る。着いたところは何ともう荷物を取るところ。そこから入国審査や税関を通過するのかと思っていたらそんな気配もない。パリで一応の審査は済ませているので簡単だとは知っているが、さて?などと思っていたら、順さんのスーツケースが壊れて出てきた。持つところがなくなっていたのだ。先日のタイで横がなくなって、今度は上。これで持つところが2つともなくなってしまった。添乗員さんがくれーむを着けてくれるというので、本当はそのままでもいいかと思ったが後学のためにそうしてもらうことにした。
 いろいろと聞かれて、結局成田で手続きを取るということになった。何度使ったのかとか何年くらい使ったのかとかいくらくらいしたのかとか保険に入っているかなどなど。勿論添乗員さんがやってくれたのだが。どうも今回の旅は幸先が良くない。これでツキが戻ってきてくれるといいのだが。
 その間みんなを待たせてしまった。その後、そのまま外へ。つまり入国に関する手続きは一切なし。と言うことは、パリでもスタンプを押してもらえなかったから今回の旅行は証拠が残らない。それが楽しみなのに残念。日本はようするにEC(注釈1)並みの扱を受けているということなのだろうか。
 外で先ず両替。順さんは7万くらいを考えていたが、則が5万でいいと主張してそれにした。足りなくなったらワインは飲まないということにして。78、500$に換金。
 ホテルはバスで15分くらい。外は暗さもあってあまり感激とはいかなかったが、ロビーでワインの歓迎を受けた。これがポルトワインなのだというかんじのワイン。(写真はロビーでご満悦の順さん)
 部屋も次の間付きという感じの広い部屋で結ったりしている。バスタオルも上半身をおおえるほどの大きさでいい。
 11時を過ぎても則はインターネットへの接続を試みているが、順さんはつかれたので寝る。結局つながったものの、セキュリティーではねられているようで、上手くはいかなかった。残念。アクセスポイントが停止しているのか?


注釈1・・・ツアー同行のKA様からのご指摘):ECではなくて今はEUです。ポルトの空港で入国審査がなかったのは,日本がEU並みの扱いを受けているためではありません。ヨーロッパ内のイギリス,アイルランド,デンマークを除くEU加盟12ヵ国は,シェンゲン協定を結び,これらの国へ一度入国すると,加盟12ヵ国内の移動は,国内扱いとなっているからです。われわれは,パリでフランス入国の手続きを済ませています。従って,フランスからポルトガルヘ行くときには出国審査(フランスの)もポルトガルの入国審査もありません。もし,ロンドンを経由してポルトガルとへ行くと,イギリスはシェンゲン協定に加盟していませんので,イギリスの入国(日本からの)及び出国審査とポルトガルの入国審査を受けることになります。EUでは,1997年にアムステルダムで開かれた首脳会議で,域内の「人の移動の自由化」を5年以内に共通政策とすることが決められています。帰りにも,リスボンからパリヘ行くときには出国審査がなく,パリのシャルル・ド・ゴール空港で出国の手続きをしました。


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