12月27日(土) 第2日目

 マドリッド(9:00)(10:30)セゴビア(水道橋、くちばしの家、エスグラファイドの美しい家、マヨール広場、大聖堂、アルカサル)(13:05)(13:20)ホテルLosArcosのレストランにて昼食(14:30)(15:15)アビラ散策(サンビセンテ教会、大聖堂、大聖堂裏エルシモロ、聖女テレサ修道院)(16:35)(16:40)四本柱にてアビラの全景(16:55)(18:15)サラマンカのホテルグラン着−夜のサラマンカ市内散策(19:30)−ホテルにて夕食(21:00)


 朝4時には目が覚める。すっきりした目覚め。順子は昨日の薬が効いたのか、体が軽い。外は真っ暗。夜明けが遅く8時頃らしい。7時から朝食。ハムの行列。生ハムの本場だから、それを食べなくちゃといくつかつまんだが、うーん・・・。野菜はほとんどない。オレンジジュースは目の前での絞りたて。これはすっきりしていておいしかった。コーヒーは、カフェオレ(カフェ・コン・レチェ?と言ったと思う)にした。

 9時に出発。この頃になると青空がとてもきれい。バスは居心地が良いし、きれいなので安心した。自由席ということなので相変わらず一番後ろを独占。ゆったりしている。何しろ添乗員さんを入れて17人なのに、このバスは65人乗りなのだから、何という贅沢。殆どの人がシートを独占状態で使用している。

 途中電車を発見。子どものようにはしゃぎまくって写しまくる。(これが唯一電車との出会い。線路はあるのにこの後は電車を一度も見られなかった。)左右は高原地帯。だいたいマドリッド自体が標高650メートルくらいで、高尾山(東京の山)よりやや高いわけで、およそ標高1000メートルくらいの所を走っていることになるそうだ。窓の外の景色は秋吉台を走っているような感じで、草の中に岩がごつごつしている風景が、1時間近くも続く。と、目的地のセゴビアへ到着。

 ここが一番きれいという場所で、アルカサルの裏で撮影タイム。近くの気温表示計は2℃を表示。が、興奮しているせいかそれほどの寒さは感じない。このアルカサルはディズニーの白雪姫のお城のモデルになったというところで、絵本に出てくるお城そのままの形をしていた。これが西洋文化かと初めて本物に触れた思い。

 また、バスに乗り込み市街地へ。初めに水道橋を見る。これはローマ帝国時代(1C後半〜2C前半)に建設された物というが、高さが高い所で29mもあるという優れ物。しかも花崗岩をそのまま組み合わせて接着剤を使用していないというのだから驚き。よく見ると、なるほど、微妙に石が組み合わさっている。現在修理中で全部は見られなかったがそれでも全容を想像するには難くない。真ん中辺に守り神としてイサベル女王がスペイン国旗と軍隊のマークの入った旗に包まれて置いてあった。

 それから町中に入る。町は城壁に囲まれており、アルカサルのある部分が船首に、そしてローマの水道橋にあたる部分が船尾にたとえられる形状をしている。くちばしの家や、エスグラファイドの美しい家等を経てサンマルティン広場に出る。ここでは子ども達が大人のリーダーとともに輪になって遊んでいた。一行の渡辺さんがさりげなく入り込もうとしたが、なかなか受け入れてはもらえず、スペインの子どものナイーブさを見た感じ。一段高い所にセゴビアの英雄ファン・ブラボの銅像がある。どんなことをした人なのか分からないが、記念撮影(たぶんレコンキスタ時代の英雄ではないか?)。また歩いてマヨール広場に出る。(今後もこのマヨール広場というのがあちこちにあるが、これは中央広場という意味なのだそうだ。地図で見ると町々にマヨール広場があるが、これで納得。)ここに面してカテドラルがある。これは15,6世紀に建てられた寺院で、ゴシック様式というのだそうだ。天井が高くステンドグラスを施してある建築様式らしい。鐘楼の高さが88mあるという大きな寺院だ。中はがら んとして広い。中央の礼拝堂の回りに小さな教会(礼拝室?)がいくつもあって、個人所有だったそうだ。日本でいうところの塔頭が院内にあるということらしい。ここには絵画や彫刻の傑作が多いということだったが、わからん。日本語の解説書を買ったので後でゆっくり調べてみよう。外観は繊細な刺繍を施したスカートのような、と解説書に書いてあったが、本物の刺繍売りが結構しつこく売り込みに来ていた。最初3000ペセタといっていた物が1000まで下がった。ちょっと触手を動かされたが、買わずじまい。少し自由時間があったので、ふらふらしているうちに、子豚の丸焼きの写真と見本を見つけてまた記念撮影。うーんすごい。ここの名物ということなのでたべてみたい気はするが・・・。

 近くのお土産やさんでキーホルダーを10個買う。自分のうちのはサービスにしてもらう。また歩いてアルカサルへ行く。ここは本当に私が知っている城らしい城だ。こういうところで王子様やお姫様の物語がたくさん作られたのだろうな。中はさすがに王の権力を行使して造っただけのことはあって見事の一言につきる。が、それ以上に見事だったのは、苦労して階段を昇ってたどり着いた見張り台からの見晴らし。360度見渡せるここからは、絵に描いたような西洋の風景が見える。どこまでも続く大地、そこを走る1本の道、白い壁と赤い屋根の家の集落。いつまで見ていても見飽きない風景だ。上に上がって発見したのは、西洋城郭の上部にそびえる尖塔部分の状態。外側から見れば円筒形に見えるが本当は半円形だあったこと。

 さて、バスに戻ってまずはお茶。今回寒いだろうということでポットを持っていったのは正解だった。お湯を入れて置いて、コーヒーやお茶などで体を温める。極楽。お昼はホテル Los Arcosのレストランにて。まずはスープ。何とこれが味噌味風。結構おいしい。次がメーンの魚。いやあこれにはみんなでびっくり。皿の上にははみ出しそうに大きい鱒の丸焼き。順子はパス。それとガーリック炒めのジャガイモ。スペイン料理というのは香辛料が少なくて、ガーリックによる味付け程度と聞いていたが、初めてのガーリック味だ。それも、「にんにく五右衛門」(新宿などに展開しているニンニク料理専門店)ほどきつくはなくあっさりしている。その後ケーキ。甘くておいしいが、全部は食べきれなかった。

 次の見学地はアビラ。何もなく遠くまで広がる広漠とした景色の中を1時間ほどバスに揺られる。アビラは高原地帯で、スペインの都市では最も高いところに位置するそうだ。ここは、11世紀にキリスト教徒がイスラム教徒の侵入を防ぐために建造したという城壁が有名。その中に見所がたくさんある。まずはバスを下りて直ぐの所にあるサンビセンテ教会。これはロマネスク様式というのだそうだ。入り口の所があっさりとしているのが特徴なのだそうだ。城壁を入るとゴテゴテのカテドラル。と言ってもこれ自体が要塞のようで、高い塀に囲まれている。裏にも入り口があってここだけ一段下がっているが、だからといって直ぐに侵入できるような柔な造りではない。

 一通り中を見てから散策。そうそう、ここで有名なのは聖女テレサ。彼女に因んだ「yemadesanta teresa」というお菓子があるとのことで、早速紹介してもらっていただく。これが卵の黄身を使って作った一口大の大きさの黄色い甘いお菓子。添乗員さんごちそうさま。最後にそのサンタテレサ修道院を見学。ここで彼女は生まれたそうだ。何をした人かというと、要するに布教に努めたということなのだろう。冬の寒い日も裸足で通し神の教えに従った人だそうだ。スペインの誰からも崇拝されていると紹介された。お土産も彼女に関する物が多かった(絵とか像とか)。

 その後またバスでここの全景が見渡せるというロス・クアトロ・ポステス、通称四本柱へ行く。約25mおきに90もあるという塔と壁の様子もここからならよく分かる。四本柱自体はただそれだけの物。

 本日の宿泊地サラマンカへは6時過ぎに到着。青空は残っているのに夕暮れの色が濃く、町にはクリスマスのイルミネーション(と言うのだろうか、各通りには様々な工夫を凝らした電飾飾りがある)がきれいに光っていた。一休みしてから町へ繰り出す。マヨール広場、貝の家から繁華街を通って新旧大寺院まで行って来た。主なところはみなライトアップされていてとてもきれいだ。8時近くなっても町は明るく人通りも多い。帰りに地図とカレンダーを購入したが、この本屋はそろそろ店じまいの準備をしていた。ここでも、小さなお金がこれしかないと言うことでまけてもらう。

 夕食を済ませてからゆっくりと入浴。久しぶりにという感じでのんびりした。が、夜中中外では踊り歌いまくっていて結構うるさかった。しかも、明け方からは清掃車が町の掃除を始めて、期待したほど眠れなかった。休み前の日はスペインではこんなものなのだ。一緒に外で騒ぎたかった。

 ホテルはグラン:いい所だ。備え付けに関しては以前と同じ。108号室。