1月1日(木):正月元旦   第7日目

 ウベダ(9:00)→アルマグロ(11:30)パラドールにてボビンレースの実演、マヨール広場、市庁舎、コラルデコメディアス、白い家並み→(14:00)カンポデクリプターナ−レストラン、ピッコロにて昼食→風車見学→(18:10)クエンカホテルパラドール−ホテルにて夕食(20:30)

 ウベダを出発して今日はまずアルマグロ。一説によるとドンキホーテの城のあったところ。ここが、即ち、ラマンチャ。幸四郎のラマンチャの男を思い出す。おかしな男だった。ただ、あいにくのことにここの一番の見所であるコラル・デ・コメディアス(スペインで一番古い劇場)は、閉館ということで見られなかった。その代わり、立ち寄ったパラドールでレ−スの実演を見ることが出来た。目にも留まらぬ早業とはまさにこれ。ちょうど組み紐を作るように何本もの糸を交差させていくのだが、よく間違えないものだと感心しきり。NHKのスペイン語講座に取り上げられた人だそうで、テキストを置いていて見せてくれた。また、実際にそれを見て知っている人もいたのには驚いた。広場の方に店があるよ、というのを適当に聞き流して、我々はマヨール広場へ向かう。そしてその途中、則裕はサンタクロースの帽子を拾ったのだ。よりによって則裕とは、これぞまさしく神様の贈り物、と喜んで頂くことにした。マヨール広場はそれを囲む白と緑のコントラストがとてもきれいな所だった 。この日は空も真っ青で気分も良かったので、やや舞い上がり気味。道行く人に覚えたてのスペイン語で「Feliz Ano Nuebo!」と話しかけたりして。そこへ陽気なおばさんがペラペラ話しかけてきた。何を言っているのか全く分からなかったが、店に入って店開きをするのを見て、やっとさっきのレースのおばさんだと分かった。どうもみんな同じ顔に見えてしまって。

 それから町の散策。ここも白い町の1つで壁がきれいだった。途中で陽気な兄さんグループに遭遇。シャンパン片手に正月を楽しんでいるらしい。それに人声があると家の扉が開く。そして、「Feliz Ano Nuebo!」。そう、今日は地球は正月なのだ。もちろんスペインだってお正月。

 バスに乗って昼食の場所に近づいた頃、丘の向こうに白い風車が見えてきた。1,2,3,4,・・・数えながら夢中でシャッターを切った。青い空に浮かんでいるようにハッキリと見えた。その風車は後で見るということで、まずは昼食の場所へ。チキンの煮込み?最後のデザートはプリン?のようなとにかくここの食事はよくわからん。が、満腹にはなった。


 ゆっくりの食事を終えて、さあ風車の所へ。ここも正月ということで、1基だけ見学できる風車も〆切。というより、見学できるときでも、係りのおじさんは気が向いたらふらっと来て、またふらっとどこかへ行ってしまうそうな。こういうことは、ここだけの話でなくあちこちで聞いた。のんきなのだなあ。風車は遠目に見てもきれいだったが、近くに行っても十分に見応えのある美しさだ。かの昔、ドンキホーテはこの風車めがけて突進してきたと言うが、そんな恐ろしさはない。逆に何とも優雅な感じのものだ。後ろの棒を引いて風車の向きを変えるなんて言うのものんびりしていていいな。あちこち場所を変えて写真撮りまくり。そこへ羊も群を連れたおじさんが来て、また格好の被写体になる。

 それからクエンカまでの道は、荒涼とした赤土地帯。こんな所では何も育てることが出来ないだろうなと思っていたら、水はあるし、何かを刈り取った後のようなものもあり、人の手が入っているのは明らかな痕がいくつもあった。私の知識外のことをここでは行っているのだろう。やはりどこへ行っても人の生活力というのはすごいものだ。自然には負けていない。

 さて、クエンカ。空中都市と言われる町だ。宙吊りの家もあるという。家が宙に浮いているわけはないし、いったいどんなのだろうと想像しながら行った。が、あいにく到着した時には暗くなっていたので、あまり様子がよく分からない。でも、ここでもライトアップしていて何となく様子はうかがえた。確かに吊り橋の向こうの崖際に家が建っている。足場はどうなっているのだろう。明るくなってからが楽しみだ。でも、それまで待ちきれないので、とにかく夕食までの時間を利用して散歩に出た。近づいてみると普通の家だなあ。お土産屋にも入ってめぼしいのを見つけておいた。

 それではしゃぎすぎたわけではないのだが、エレベーターが、また動かなくなってしまった。またと書いたのは、東京でも最近エレベータを止めてしまったからだ。我々の所までは来たのに、2人で乗り込んで1階ボタンを押したらそこでストップ。あーあ、これで2回目だ。1回目の場所は・・・教えないよ!

 ホテル:クエンカのパラドール。ここも良い。備え付けは同じ。