1月2日(金)   第8日目

 クエンカ(9:00)パブロ橋、マヨール広場、旧市街、カテドラル、宙吊りの家(抽象美術館)→(12:00)レストラントガールにてパエリアの昼食→(15:00)マドリッド



 さて、朝食を済ませて早速クエンカ巡り。崖の上の家は、本当に崖っぷちに建っている。窓からものを落としたら、崖下に落ちてしまうに違いない。そのがけの下も谷になっているので深い。人が落ちたら一巻の終わり。それにしてもまあよくこんな所に建てられたものだ。ここは2階に行くと1階より少し飛び出していて、3階になると更に少し飛び出していて少しずつ部屋が広くなっているのだそうだ。住む工夫がすごい。しかも1軒の土地はそれほど広くないので上へ上へとのびていて、4,5階なんてざら。勿論エレベーターなんて無いから歩き。道は坂だったり階段だったりして老人や体の弱い人には住みにくい町だ。ここが他と違っているのはそれだけではない。家の色がカラフルで明るいのだ。黄色や赤、ピンクオレンジなど狭い家のうっぷんを晴らすかのようだ。これはこの地方の人が南米に渡り、そのカラフルさを真似したためと説明されていた。ちょっと時間があったのでお土産屋に入った。買うつもりなど無く単に冷やかしのつもりだったのだが、そこで則裕はいたく気に入ったワイングラスセットを見つけて買ってしまった。これが大きくて重くて。でも1500ペセタ、日本円にし て1300円くらい。それを持って次のカテドラル、抽象美術館を見学。したがって昨日目に留めておいたものは買うのを止め。抽象美術館は難しくてわからん。

 昼食は、明日明日と先延ばしされていたパエリア。大きな皿にそれが出てきたときはみんな歓声を上げて、記念撮影。お店の人が見たら、嬉しい?そこで、則裕得意のワインのラベル剥がしをしていたら、店のマスターがワインラベルのポスターをくれた。他の人もくれと言ったが、これしかないと言うことで、良いものをもらった。これも則裕が今まで他の人の分まで含めて何本かのラベルを剥がしていた努力が報いられたものと評価しよう。「情けは人のためならず」だ。その後、マスター気分がよほど良かったのか、冷蔵庫のような所から吸い飲みのような入ったグラスにワインのようなものを持ってきてみんなに飲めと言う。それも、口を付けないで上から落とすようにして飲むのだ。見本を見せてくれたが、うまい。早速我々もまねをしてみたが、順子は首をぬらしてしまった。則裕はどうやらうまく飲んだようだ。ただ、赤い方はワインだったが、白い方はもっと強い酒だったらしくて、さすがの則裕も吐き出してしまった。実はこれは帰ってきてから、その昔にバルセロナ近郊にいたというイギリス人に 聞いたところ、それはたぶんサングリアだろうと言うことになった。サングリアは彼女によれば、ワインとフレッシュフルーツジュースとのカクテルの他に、8種類くらいに強い酒を混ぜ合わせたものがあるそうな。

 マドリッドでは自由行動というので、我々はプラド美術館に行くことにして、プラドの前でバスを降りた。プラドはすごかった。何がって、今まで教科書とかでしか見たこともなかった名作が、所狭しと、しかも無造作に並んでいるのだ。日本のように人が群がっていることもない。ゆっくりと見たい作品を好きなだけ見ていられるのだ。信じられない思いで、ガイドブック片手に名作探訪。3時から6:30頃までここで過ごした。それでもあまり疲れは感じなかった。土産物屋に行って、カレンダーやキーホルダーを買う。則裕は得体の知れないCDROMを購入。

 その後、オプションでフラメンコを見に行くというのがあったが、時間が遅いので我々はそのままホテルに戻ることにした。則裕の30分くらいで着くという言葉を信じて歩き出したがなかなか、なかなか着かないのだ。途中、お巡りさん(ここでは大して聞く必要はなかったが、国会議事堂を警備している人に聞いた。とっても親切に教えてくれた。)やお見せの人に聞きながらやっとの事で到着。どの人も皆親切の一言。でもこちらが片言の英語で喋りかけても、分かろうと分かるまいとお構いなしにスペイン語でまくし立てるのには閉口。親切はこの上なく、最後の眼鏡店の店員は近くまで送ってくれた。到着したときは、もう8:30にもなっていた。足が痛い。それでも、町の様子は分かったし、スペイン人の人の良さには感激したし、良い経験をしたので、あまり不平感はなかった。驚いたのは、歩いている間、ずっとにぎやかな町だったこと。こんなに人並みが続くとは考えてもいなかった。海外の三越も初めてみた。マックは4〜5ヶ所あったし、ダンキンドーナッツ(?)は行列をなしていた。ホテル近くは寂しくて物騒なのでは等と考えていたのに、車も人もたくさんだった。コンビニだ けは少なかった。(マドリッドを出発した日にセブンイレブンを1軒見ただけ。)

 今日は食事がないのでホテルで簡単に済ませて、明日のために荷作りをした。もう帰るのだ。終わってみると早いものだ。