五日目:7月24日(月) 雨 朝の気温13度

 (旅もサミット)太陽に向かって飛ぶ欧州方面への旅は第一日目が実質時差分長いし、その反対に帰路は実質時差分短くなる。この影響で10日間の旅行と言うのは、実質は7日間であり、今日はその折り返しにあたる日(もっとも個人の旅行であっては、リコンファームだとかでもっと時間は割かねばならない場合もある)。旅もサミット(日本ではおそらく沖縄サミットが終わっているころなのだ)と言いたいところだが、今日は移動が中心の日で、午後からは自由時間の予定。
 さて起床は5時。外は未だ暗い。サマータイムと言うけれども、東京ではこの時期4時にはもうだいぶ明るいから、感じとしては更に一時間早いような感じか。この感覚の違いは、山間であって日の出が遅いと言う点を差し引いても、むりやりヨーロッパ標準時(つまりフランス・パリ時間)に合わせている分もあるのだろうか?スペインでも未だ暗い時間に観光に出かけた記憶があるから、ヨーロッパ人の朝の概念と日の出との関係が我々日本人が違うのかも知れない。

 (マッターホルン見えず)20分過ぎにすこし明るくなってきたが、困ったーホルンは今日も薄明かりの中ではあるが、雲の中に隠れて姿を現さないようだ。だいたいどのくらいの確立で見ることができるのだろうか。この分でいくと、最初の日が奇跡だったのか?そうした意味でいえば、夕刻遅く出会っても未だ明るく見ることができた最初の日について、ヨーロッパ人の日周動間隔に感謝しなければならないのかもしれない。それにしても今一度マッターホルンが見たかった。
 7時から朝食のレストランが開いているので下りていく。外は相当の雨。荷物が濡れるのは目に見えている。35キロもあるので、心配だ。朝食後、駅隣のキオスクが開いているのを見て、雨の中を出かけていった。カレンダー(13.80CHF)や観光書(12CHF)など日本語バージョンが豊富なので買うことにした。チューインガムも含めて27.5CHF。それにしても、ヨーロッパでこんなに日本語のあふれている町は初めてだ。朝日新聞や日経新聞まで売っていたのだ(5.60CHF)。そして駅の出発を案内する掲示にも日本語の「出発」の文字が。

 (後ろ髪を引かれつつシャモニーへ)雨は尚も降り続いている。それでも予定は予定である。定刻9時30分のテッシュ行きの電車に乗る(前にも書いたようにホテルは駅の隣と言って良い場所にあるにもかかわらず、このわずかな距離もバゲージを持って移動するのを嫌がる人が何人もいるのは驚きだった)。22日にも書いたが一駅手前のテッシュ迄行かないとガソリン車は使えないからだ。テッシュに着いたときには幸いに雨は少し小降りになった感じ。荷物をバスまで運ぶ間にザンザン降りだったら悲惨だから、まぁましな方だろう。さて今度のバスは大型なので、皆けっこう好きなところに陣取っている。ほぼ一人で2座席分占められる勘定だ。我々はいつもの定位置の最後尾に陣取る。9時55分に出発する。
 バスは途中のパーキグエリアのようなところでトイレ休憩をする。トイレと電話しかない。この間は雨、雨、また雨であったが、幸いにして少し小止みになってきており、傘をさす状態ではなかった。
 トイレ休憩した場所から少しで高速を下りて山道にかかり、また峠越えになった。そのあたりは葡萄の産地ということで、見える山すべてが葡萄で埋め尽くされていた。こちらの葡萄は日本と違って棚を作るのではなくトマトや豆のように立てて植えているので、葡萄の実が下になっており収穫が楽そうだ。それから、スイスとフランスの国境を越えたが、観光バスは一旦停止しただけで、およそ国境という感じはしなかった。

 (雨模様のシャモニーの町)最初1時間半くらいと言っていたけれどもやや早めの、1時間あまり走った12時30分ころシャモニーのホテルに到着。ホテルはだんだんよくするのがツアーの鉄則だと思うが、前日よりましなホテルだ。ただ未だチェックインまでには時間があると言うことで、荷物を預けて昼食をとるために繁華街にあるレストランへ向かった。途中で、エギュードミディらしきものを見る。先端にロケットのようなものを付けた頂がそうだろう。雲は動いているが、時に山々を覆い隠す状態ではまだある。街角を帰る道を覚えつつ、昼食のレストランに到着。ここも野趣溢れる調度のレストラン。スイスフランしか持っていなかったけれども安いフランスワインを注文。このワインは美味かった。メニューもスープ、魚、サラダだったが、スープも空の皿にスタッフが注いでくれるタイプのものだし、盛りつけかたといいスマートで、ワインのおいしさとともにさすがフランスは違うと思わせた。
 その後自由散策だったので、我々はここでフランスフランの両替を自動両替機で試みたのだが、何度やってもこのお金は取り扱っていないと拒否される。これって持参の日本円は偽札と言うこと?仕方ないのであきらめてバルマの像などで記念写真を撮っているとまた雨が降ってきたので急いでホテルに戻った(集合時間を忘れていて危うく遅刻するところだった)。

 (疲れがたまってきて添乗員さんも大変だ)ところで、だんだん皆疲れてきているらしくて、勝手なことを言うし、ちょっとしたどうでもよいようなことでも声を荒げて指摘する。添乗員さんは女性だが、だいたい今の若い人たちにそんな風な言い方をして世の中勤まると思っているのだかろうか。時代錯誤も甚だしい。決定的なミスならいざ知らず、僕は腰が悪くて段差をおろせない(高々三段)から自分で荷物を運べない云々と言うようなことを平気で言う。その人は自分の家はバリアフリーになっているのだろうか、そうではあるまい普通は。我が儘を言うなら、それなりのもっとお金をかけた至れり尽くせりの仕様のコースを選べばよいのだ。そうした荒げた声を聞いているとだんだんその声に憎悪を持ち出す。もっともいけないのは、70歳の老人の客で、まるで部下を怒鳴る感じだ。聞いているこちらが気分が悪くなる。順さんの弟はビジネスクラスやファーストクラスが前提の海外旅行ツアーに行ってるらしいが、そんな至れり尽くせりを期待するならば、そうしたそれなりのお金を払うべきだ。全く支払い能力とそれに適したサービスと言う観念が無い。こんなお客が多いツアーは初めてだ。この苛立ちは最後まで続く。
 夕食までは時間があったが、雨模様であることにはかわりはなかったので、ホテルで休憩にする。ところでホテルは今回は明日行こうとしているエギューデミディのロケットのような先も見えるナイスビューな部屋だった。時たま気まぐれに見えるそうした山々を一喜一憂しながら部屋で休んだ。
 夕食は(たぶん)この地方の名物のコッコバン。鳥肉を煮たものだが、これも美味しかった。

ホテル:アルピナ 1209号室
 3人用の部屋らしく、タオル等も3人分揃っていた。ベッドも2つのうち1つはダブルベッド。

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