2005年12月29日(木)

ホテル(0807)(0815)ヌーラ製作所(0825)(0835)日干し煉瓦製作所(0845)(0900)宮殿(1003)(1005)スーク(1038)(1125)タリム(1232)(1300)昼食(1400)(14:15)パノラマ(14:30)(1500)ホテル

8.1 朝

 寒い。昨日の日中は30℃まで気温が上がって暑かったのだが、今朝は長袖を着ていても寒いくらい冷え込んでいる。これが砂漠の特徴なのだろう。
 6時から朝食がとれるというので行ってみたが、あまり内容はなかった。ヨーロピアンスタイルの朝食だ。食事を終えて屋上へ上ってみると、ちょうど朝日が昇ってくるところで日に照らされたテーブルマウンテンがきれいだった。
 出発の時、昨日作成した運転手さん達の写真を配った。こちらの人は写真が好きだというので持ってきた機器をスーツケースに入れておいたので、ようやく使えたのだ。皆とても喜んでくれた。が、全員ではなかったので、なかった人が冗談だが怒った顔を見せた。これがこれからの苦労につながる。

8.2 ヌーラ製作所 8:15〜8:25

 8時ちょい過ぎにホテルを出発。道を外れてガタガタの道無きところを行くので何?と思っていたら、着いた先は黒い煙がもうもうと立ち上がっている所。ヌーラを造っているのだという。イエメンの建物の白を象徴する、要するに、日干し煉瓦で造った壁に塗る白い塗料のこと。実態は、漆喰。
 石灰岩を4日間焼き続け、2日間覚ました後水をかけると白い粉になるのだという。話だけではわからないと思ったのか、実物を持ってきて実験して見せてくれた。本当に不思議。手に持ったときは普通の石だったのに、水をかけると白い煙と共に粉々に崩れてしまった。これを水と混ぜて壁に塗るのだそうだ。
 こんなに白くてきれいなのだが、それを作り出す燃料が、古タイヤと油ときているので煙は真っ黒、絶対公害をまき散らしている。

8.3 日干し煉瓦製作所 35〜8:45

 次は日干し煉瓦の製作所。まず泥と藁を混ぜる人がいる。それを作っているところに運ぶ人がいる。運ばれた泥を型にはめ込んで整える人がいる。完全な分業で流れ作業になっている。それを片面1日ずつかけてゆっくりと乾かすとできあがり。
 皆泥だらけになって、休むことなく働いている。

8.4 宮殿 9:00〜10:03

 またもやスルタンの宮殿。ここも一部は博物館になっている。白いきれいな建物だ。やや早く着いたようで、入り口の所には開くのを待っている外国の人たちの列があった。周りをキョロキョロしているうちに入り始めたので我々には待ったという感じはなかった。
 中に入ると庭に出た。建物の中にはまだ入れないというのでとりあえずそこで説明を聞く。ようやく中に入ったが、ここも撮影禁止だ。1階にはどこかの遺跡から発掘された物やハドラマウトの地図があり、上の階にはスルタンの衣装や家具、持ち物等が展示してあった。それほど困るようなものは展示されていないし、観客も多くはないのだから、わざわざ禁止にすることもないだろうと思うのだが。ただし、屋上から外を写すのはよいという。
 確かにそこからの町並み風景はきれいだった。緑のモスクと高いミナレットが印象的だ。

8.5 スーク 10:05〜10:38

 歩いてすぐそばのスークへ行った。ここで蜂蜜が買えるというので、何人かの人はそれを期待していた。ここも狭い通路を挟んでびっしりと店が並んでいる。ここにゴマ煎餅があるというので楽しみにしていたが、添乗員が気を利かせて丸いゴマ菓子を配ってくれた。確かにゴマの味だ。他にも香辛料などがたくさん並んでいた。
 自由時間になったので、我が家は先ほどのゴマ煎餅の店へ急いだ。と、途中に同じ物を売っていたので、そこで買うことにして値段交渉。丸いのは固かったので薄い煎餅にした。それから、昨日の運転手にもらった菓子を見つけて買った。卵パンのようなもの。
 この頃になると気温は34℃にも上がり、暑くてたまらなくなった。

8.6 ホテルで休憩 10:45〜10:55

 トイレ休憩ということで近くのホテルへ行った。ロビーでゆっくり休んだ。ここでまた水をもらった。今回の旅行は水を捨てるほどもらえる。食事の時には必ず、他のグループもそうだが、ペットボトルの水が付いている。日本でコップに水を出すのと同じ感覚なのか。
 写真は、ホテルロビーにあったワジの説明図。

8.7 タリム 11:25〜12:32

 四駆で30分ほどでタリムの町に着く。ここはかつてスンニ派の中心地だったという所だ。
 車を降りてからしばらく歩いて宮殿に向かった。途中、大きな壺のような物があって、これはホムズを焼くための物だそうだ。また、ここにもTOYOTAと書かれた修理工場のような店があった。この国では限りなく100%に近い位の台数を日本車が占めている。その最たる物がTOYOTA。日本車の90%近くを占めているのではないかと思う。
 たどり着いたこの宮殿は写真撮影がOKだった。つまり、中には何もないからだ。ただ、部屋や窓の様子などはよくわかる。ガラスがステンドガラスのようできれいだった。 
 次に高いミナレットを持つモスク。これもきれいだった。ただ、中には入れないので外側から写真を写すだけだった。
 それからスークというほど大きくはないが、店が並んでいるところを抜けて図書館へ行く。
この図書館は、1000年以上も前のイスラムの本が5000冊もあるのだそうだ。建物は新しい。これも中に入ることなく外側からだけ。
 その後自由時間になったが、とにかく暑くてたまらないので、日陰で時間をつぶして早めに車に戻る。

8.8 昼食 13:00〜14:00

 昼食は先ほどのホテルへ戻ってとる。
 メニューは、サラダ、スープ、ライス、魚料理、フルーツ。魚以外はお馴染みのものだ。
 暑いので(たぶん暑くなくても)ノンアルコールビールを飲む。

8.9 事件発覚<2> 予定変更 マリーブ観光中止

 (海外安全ホームページより)
12月28日(現地時間)、イエメン中部のシャブワ州でドイツ人旅行者家族5名が、武装グループにより誘拐される事件が発生しました。誘拐の目的等については不明ですが、同州は部族社会の色濃く残る地域であり、従来からテロリストとの繋がりも指摘されています。また、米国寄りの姿勢を強めるイエメン政府に対し反発する姿勢が見られ、政府のコントロールが行き届いていない地域と言われています。さらにこの地域では銃器を使用した部族間の抗争も頻発しています。同州に対しては危険情報「渡航の延期をおすすめします。」が発出されているとおり、この地域に渡航・滞在を予定されている方は、いかなる目的であれ渡航を延期するよう強く勧告します。

 昼食後、昨日起こったドイツ人誘拐事件に関して、明日からの予定を変更する旨の説明があった。前の事もあるのでこう続けて起こっては致し方あるまい。以下はその説明。
 「事件が続いていますので、マリーブの観光はカットします。ムカッラまで四駆で戻って、そこから飛行機でサナアに行きます。当社の約款ではこうした場合、飛行機代はお客様の負担になり、マリーブのホテルのキャンセル代は当社の負担になります。が、今回はこれを相殺ということにして、金額の面で負担してもらうことはありません。今の段階ではどの便がとれるかわかりませんが、サナアで時間がとれるようでしたら、他の観光にご案内します。」
 これを聞いてみんなホッとした顔をしたが、そうなの?約款まで持ってきていないので何とも言えないが、これからはよく目を通しておかないといけない。それにしても添乗員の恩着せがましい「飛行機代の支払い義務はなく表記している場所に行かなかった違約金3%程度を払うのが筋ですがそれではあまりにもひどいので云々」という表現だけがやけに耳に残った。
 ホテルのキャンセル代って、会社が払うの?ということは我々が払ったホテル代は我々に全額戻ってくるということになるの?キャンセル料って我々が払った中から没収されるんじゃないの?
 2日目のサナアのホテルは全額キャンセル料として取られて戻ってきませんという説明だった。 明日のホテル代については何も言わないが、まさか請求されることはないのだろうなあ。マリーブのホテル代をこちらに充てますと言うのだったら、よくわかるが。
 ま、いずれにしろ、今回、マリーブに行く事を楽しみにしている人が多く、そこに行くからとこのコースを選んだ人が殆どだったので、残念なことには違いないが、情勢的には諦めざるをえない。
 始めからついてない旅だった。
 それにしても、外務省もかわいそうな存在だ。外務省の渡航を自粛せよとでている地域をコースに入れておきながら、外務省を理由にコースの変更をするこの会社。何か論理的におかしいんじゃないのか。われわれはそれを承知できているのだ。外務省はリスク回避の説明の道具に使われたにすぎないように思われた。

8.10 パノラマビュー 14:15〜14:30

 車は町はずれの、やや高田に位置するホテルに入っていった。そのの庭からサユーンの町を一望した。
 景色はすばらしかったけれども、やはりメインだったマーリブ近郊観光ができなくなっただけに、皆重い気分で、会話も少なかった。
 添乗員も言葉がなかったのだろうけれども、街中の建物の解説をするなど、気を紛らわす工夫をしてもらいたかった。次の楽しみを見つけてあげるのが、コーディネータの仕事ではないか。

8.11 連絡

 明日の早い便がとれたというので、ここの出発が朝の4時になるという連絡があった。夕食後にスーツケースの整理をした。荷物を軽くするために、水とゼリーを運転手さん達にあげることにした。早めに寝ようと思っていたら、レストランで地元の人たちのダンスがあるというので、少しだけ見に行った。

★ホテル アル・ハワタ・パレス Al Hawta Palace Hotel 連泊