チェコ・・・それは革新の国だった
 =カラシ菜の黄色とオレンジの甍の思い出とともに=


★今年の春は駆け足で西オーストラリア州を旅した。その時の印象として、案外大手の格安ツアーでも旅は楽しめるものだという、原点回帰のような感覚を持った。ポイントはあまり詰めすぎていない旅行日程と言うところだろうか。さて今回旅した国はチェコ。訪問以前のチェコの第一のイメージは「モルダウ川」(これはドイツ語読みで現在ではブルタヴァ川と称される)だが、これは川の印象と言うよりは国民的作曲家スメタナの曲について、あの堂々とゆったりと流れる川の表現部分が印象に残っているという感じだ。それからチャスラフスカの国。彼女は東京オリンピックの花であり、その後のプラハの春を経過しメキシコオリンピックでも見事に個人総合に輝いた。東京オリンピックのアベベや東洋の魔女などとともに、彼女は我々世代に強く印象に残っている人物だ。近年では、ナブラチロワが印象に残る。で、なぜチェコなのかだけれども、今回も前々回の印度と同様に日程上の問題が大きかった。それと予算。この時期に燃油代別ではあるが30万を切る旅行ができるのは捨てがたい魅力だった。


★チェコはかつての共産党時代には東ヨーロッパに区分けされていたが、歴史的には中欧に属し、長い歴史を育んできている国であり、世界遺産も面積(日本の北海道よりも小さい)の割には12と、多数存在する。ここに目を付けたわけだ。それと冒頭に書いたが、比較的にゆったりめの行程。実際問題、物足りなく端折ってしまったなぁと思うこともあったが、夜遅く到着して早朝出発するということは無かった。現地の人とふれあうことも少しは出来た。


★チェコは非常治安のよい国の一つのように思う。もちろん首都のプラハではそれ相応の留意すべき点はあるわけだが、周囲に気を配っていたわけではあるが、身の危険を感じるということは無かった。またそれが何時ものことなのか、何かの理由があるからなのかは定かではなかったが、巡回警備する警察の人々もプラハの観光地では多数目にした。二人だけの時も一日以上あったが、巧妙なスリは別として、そこで何か犯罪に遭遇しうるだろうという恐怖感はなかった。
★先にも書いたように今回も引き続き大手のC旅行社を利用した。38人という大所帯であったが、旅慣れている人が比較的に多かったのと、添乗員氏のまとめの良さで、かなりカバーされたと思う。まぁ値段次第で仕方がない。ただ安い分、昼食・夕食とも2回の合計4回の食事はなかった。もっとも我々はそのうちの昼1回はアルファー米の期限が切れそうなのでそれを食べたし、夜1回は、買い物に走ったために集合に間に合わずあわててマクドナルドで食べざるを得なかったし、もう一度などはスーパーで見繕ってきて食事代を浮かした。 また残り1回の昼食も、観光客が訪れることの少ない、カフェテリア形式の店で食べた。ビールもジョッキで飲んでも、600円程度だった。この国は財布にも優しい国だった。

★さてプラハへの直行便はない。しかしながら、隣接のオーストラリアやドイツから入れるので問題はない。実際問題、ドイツに旅行をしたときのバスはチェコから来ていた。今回はルフトハンザでフランクフルト〜プラハに入った。

★チェコの料理は正直言って、何という印象は少ない。ドイツと同様にザワークラウトがよく出てきたが、ドイツのものほど酸っぱさが無く、少々甘みさえ感じるもので、日本人の口にはこちらの方が合うと思う。チェコはいわゆるピルスナービールの発祥の国であるが、おしなべて癖のない飲みやすいビールが提供された。温度も適度に冷えていた
★今回の旅で、チェコの最大の印象は、カラシ菜の花だ。印度に引き続きカラシ菜の畑を見た。それも巨大なものばかりだった。済州島の菜の花見物が有名だが、チェコのそれを見れば大人と子どものようだ。感動的な風景が、ボヘミアの大地に広がってた。はまぶしいくらいに黄色かった。我々のチェコ旅行の印象について「色で表現すれば?」と問われれば、間違いなく大地に広がる黄色と答えるだろう。
★ギ今回のチェコの旅で、世界遺産訪問数は211になった。