仏:美村巡りⅡ~シャンパーニュ・ロレーヌ地方とアルザス・ブルゴーニュ~ 表紙

シャンパーニュ・ロレーヌ地方とアルザス・ブルゴーニュを巡る旅


旅の始まり

 ブランスは,これまでに、2009年今年2012年春に訪れている。ヨーロッパでもイタリアと並んで世界遺産の多い国であるので、世界遺産に出来るだけ触れたい私たちにとっては、複数回訪問してもおかしくない国ではある。
 最初に訪れた時は、フランス旅行の定食メニューで回ってきた。世界遺産モンサンミッシェル、凱旋門、エッフェル塔、エクス・アン・プロバンスなどなど。
 今回の旅のポイントは二回目のフランス旅行にあった。前回の今年春に訪れた時の表紙に書いたのだが、その時の旅行内容がかなり良かったものだった。そこで二番煎じにはなるが、同じ旅行社の同じようなコースを再度選択してみたというわけだった。
 時期的には、はっきり言ってそう良い時期ではない。しかしながら、noriの地元でやっている生涯大学(老人大学)の日程上、仕方が無かった。退職後であるから、時間は有るのだが、お金がないから、名との高い時期は避けたかった。しかし同じ余に生涯大学も夏休み期間があるので、その時期を狙いつつ学生の夏休みが終わる頃を狙って、旅費の軽減も図るとこの時期になった。
 今ひとつ言えば、9月はじめは日の長さでいえば、まずまずの明るさが未だ保たれる時期でもあったから。ヨーロッパは、朝の散歩で、町歩きをするのが、最近のヨーロッパ旅行での楽しみの一つになっている。
 この対岸に泊まるという設定だった。おかげで、パリと並びフランス最大の観光地をややゆったり観光することが出来た。夕景、夜景、そして朝の風景とそれぞれを楽しめたし、汐が満ちて孤島の如くなる様も見ることができた。対岸との間を橋で結び、旧来の姿を取り戻そうとする工事の最中だった(今も続いているはず)。
 さて足繁くと言うほどでもないが、ヨーロッパにいくらか多めに旅行をするようになったのはjunが退職しnoriがまだ働いているという状況の頃である。ヨーロッパは春から夏がよい。何故ならこの時期は日が長い。日が長いと、朝の散歩が楽しい。ヨーロッパの特に古くからある中小都市の、観光客がまだあまり動き出さない早朝の散歩は、実に味わいのあるモノだ。
 というわけで、今回は前回と同じ、普段日本の旅行で大部分をこの旅行社のツアーを使っているC社の「【ヨーロッパの美しい村めぐり】 シャンパーニュ・ロレーヌ地方とアルザス・ブルゴーニュ 美しい村々巡り9日間」というコースを利用した。例によって、往路一日と帰路二日はじっと我慢の飛行機旅行に取られるので、今回は正味6日間の旅行で、正直駆け足感は否めなかった。ただ、ただ連泊中心の日程だったので、比較的慌ただしさは軽減されたとは思う。

二番煎じは・・・

 しかし今回は裏切られた面も否定できない。どうも、最初が成功したから、二番目を作った感じで、詰めが非常に甘い行程だった。
 第1は、行程に無駄が多かった。同じ道を何度も往復して、車窓が見慣れたものになってしまった街さえあった。
 第2は、ポイントを押さえていない。この街ではこれは最低限見ておかなければならないマストアイテムというのを外すことが何回かあった。それから、滞在時間の軽重が何を基準に決めているか不可思議だった。何も見るべきものがない町に1時間滞在したかと思うと、ちょっとゆっくりしていきたい町に30分滞在と慌ただしかったりだ。
 noriは旅行後のアンケートにこう書いた。「おそらくはこの旅を企画した人は、この行程を自らの足で確かめていないのだろう。」 現地旅行社のいい加減な行程を、たいした検証もせぬままに、そのまま使って閉まった結果だろう。
 こうした結果は、かなり旅に悪い印象を与えたことは言うまでもない。

添乗員

 コース取りの悪さをカバーしてあまりあったのは、添乗員氏の心配りだろう。この人はきちんと基本を押さえていた。年配者が多い旅行では、それなりにリスクを伴うので、いろいろな配慮が必要になってくる。一例を挙げれば、朝食時間前には必ずロビーに座っている。朝食時間が始まると、概ねの参加者が食べに来るまでは食堂にいて、朝の挨拶をする。こうしたことは当たり前のように思うが、なかなかこれを実行できる添乗員はいない。
 しばしば触れているように、われわれは何度もこのC社を使っているが、これだけの添乗員さんは経験が無い。かつてH社の人気添乗員と行く・・・というツアーで添乗してもらった方と双璧をなすだろう。この人はC社の宝だろう。おそらくは管理職かそれに近い立場の人なのだろうと思う。

参加者

 今回の旅では数人がよく添乗員や現地ガイドの話の腰を折って、質問をすることがあった。
 同行者としては決してウエルカムの人ではないのだが、今回はそれでもそれが激しかったにもかかわらず、あまり気にならなかった。というのは、皆勉強家で、フランスをよく知っており、質問の多くは的確なものだった。
 その反面彼らは、フランスを中心にヨーロッパを主に旅している人々で、他の地域のことには疎い人が多かった。それから、皆旅慣れた人たちだろうに、何故か買い物によく走った。不思議だった。
 ちなみに我が家は、ジャムとキーホルダーを一つ買っただけの旅だった。ジャムはバラジャムでブルガリアと比べたかったからでアリ、キーホルダーはそのついでに買った。モエ・シャン・ドンのシャンパーニュも魅力がなかったわけではないが、近所の東急ストアでもそれは売っていて、購買意欲には結びつかなかった。
 購買意欲に結びつかないもう一つの理由は、農業生産国で有りながら、農産物加工品がそうお安くはないことも理由。前回も感じていたが、今ひとつこの点が不可思議だ。おそらくは、実用品的なものは、ブルガリアとかスペインとか、陸続きから安く入ってきているのだろう。

世界遺産

 フランスは世界遺産とは関係の深い国だ。ユネスコの本部があることもそうであるが、これまでに9回の世界遺産委員会が開かれている。そして何より有数の世界遺産サイト数を誇る国でもある。スペイン・イタリア・中国などと同様に、とても一回で世界遺産を回れる国ではない。
 と言うわけで、勿論我々は今回も世界遺産狙いに行ったことは確かだ。・・・とここまでは、先の春に訪れた時と書き出しは一緒。
 2012年の世界遺産委員会の結果、我が家の世界遺産訪問数は302に達していた。今回は6つの世界遺産を新たに回ったので、都合308になった。noriが退職した時点の当面の目標値300を越えて、最終目標値333の数の頂がちらっと見えるかなぁという感じになってきた。