第十一日目　帰国

　香港からの離陸時に一回やり直しをしているので、今回は大丈夫かと心配した。特にダッカからの到着が遅れたので、その不安は増した。予定時刻よりも過ぎてからの離陸になったが、それでも今回は難なく離陸したようだ。離陸してしばらくすると飲み物と食事のサービス。飲み物はワインを、食事はチキンか海鮮丼。聞き取れないで聞き返すと、アテンダントは「日本語ではカイセンドン」と教えてくれた。海鮮丼といっても何を持ってそう称するのかは分からないような内容の食事だった。付け合わせとしてパンやリンゴジュース、フルーツがあった。
　それから二人とも横になって寝た。お陰で身体が楽になった。
　朝になって点灯すると、水のサービスがあり、乗り換えの案内があった。これは来るときにもそうだったが、あらかじめ乗り換えの案内をしてくれるので有り難い。これは香港をハブ空港にしているキャセイ関連航空会社だからだろうが、日本の航空会社も海外からのお客様のために見習ってもらいたい。
　ともかく、無事に着陸。

　何番ゲートに降りたかを確認する余裕がなかった。下りるとしばらく歩いて乗り継ぎカウンターを通過した。それから電車に乗って移動した。どうも出入国口に近いほうで降りたらしい。
　連絡の電車を降りるとその上からY字に分かれる。その近くにラウンジがある。往路も利用したラウンジへ行った（ここ以外にもあるらしいが探すのが面倒だ）。もうここも何度か使わせてもらっているので、使い勝手がよく分かる。今回は、電源が付いている方の部屋でパソコンを使って時間をつぶした。

　ようやく搭乗時刻になったので、６８番ゲートに行ってみると既に始まっていた。一応表示は順番に、と書かれていたが、早いものから乗り込んでいた。
　外は雨が降り出していた。嫌だなあと外を見ると、何故かキティのキャラクターの飛行機。
　機内はまたガラガラだった。今度はjunが中央の４人席に移った。そのくらい空きがあった。
　まずは飲み物のサービスで、noriはビールを、junはコーラをもらった。
　食事はチキンライスかマッシュルームパスタ。付け合わせに日本そばもあった。久しぶりに美味しかった。日本人乗務員もいたのだが、我々の通路は中国人だった。
　この機体は新しいもののようで、座席の所に電源が付いていた。こういうサービスが普通に行われるようになると有り難い。飛行機用？のアダプタがいるコンセントは見たことがあるが、ＡＣコンセントが点いているのは初めて見た。キャセイすごい！
　それからこの機体のシートは、前の座席が倒れてこないタイプ。座席が二重構造になっていて滑ってリクライニングを実現する、VIPバスが採用しているグランシアと同じ構造（←マニアックな説明でごめんなさい）。これもすばらしい。
　往路で目星をつけていたのだが、機内でバッグを購入した。小さく折りたためるタイプなので旅行用に便利だと思ったからだ。今の、パラシュート記事で出来ている、我々が銀色バックと言っているものが、だいぶくたびれてきたのでその代替にと購入した。
　のんびり過ごしていると、日本近くで落雷に遭った。こんなのは初めてだった。機体がぎしぎし音を立てて揺れた。が、しばらくすると落ち着いたので一安心だ。
　着陸する頃まで雨が続いていたが、下りた頃にはどうやらあがったようだ。気温は７度ということで、ネパールに比べるとかなり寒い。

　出国は何と自動化ゲートが故障中というので長い列に並んだ。この自動化ゲート、何とかもっと高性能にならないものか。大手の電気会社に国は騙されて、開発途中のものを導入したとしか思えない。問題点があることは、空港係官が一番よく知っている。
　スーツケースがようやく出てきて、それを見ると、noriのから何か漏れていた。茶色っぽい液体だ。税関を出てから開けて見ると、カトマンズで買い込んだラム酒の瓶が壊れていたのであった。こんな事初めてだった。慣れから来るちょっとした油断だったのかも知れない。普段ワインを運ぶ際には慎重なのに・・・大いに反省しなければならない。航空会社に文句を言われなかった分、めっけものか。
　その後始末に時間がかかって、荷物を宅配便に依頼して成田を後にしたのはおよそ１時間も後のことだった。