アメリカ合衆国西部国立公園周遊

9月15日(火) 雨のち晴れのち雨

起床(0500)ソルトレイクシティ・ホテル発(0735)ザイオン国立公園(1250~1735)レッドキャニオン(1910~1920)ブライス・ホテル着(1930)夕食(1930~2030)就寝(2300)


5-1 朝

USANP10_09_02913.jpg モーニングコールの1時間前には起床(0500)。荷物の整理はほぼ終わっているのだが、最終的に完成させて朝食を摂る。



5-2 長距離ドライブ

USANP10_09_02938.jpg ソルトレイクシティ・ホテル発(0735)。
 今日は午前中は450kmもの大移動となる。町を抜けるとブッシュや牧草地、牧場など代わり映えのない風景が広がる。ということでお休みタイム。



5-3 ザイオン国立公園(1250~1735)

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 ユタ、アリゾナ、コロラド、ニュー・メキシコの4州にまたがり、楕円を描くように隆起した広大な台地は、コロラド・プラトーと呼ばれている。その西端、ユタ州南西部に位置するのが、ザイオン・ナショナルパーク。1919年に国立公園の指定を受けた。
 ザイオンZionとはヘブライ語で、「安全地帯」「避難場所」などという意味で、当時この谷に定住していたモルモン教徒の開拓者たちによって名付けられたといわれている。シオニズムのシオとも同一語源と思われる。現在の総面積約593平方㎞(東京都の約4分の1)の広さがある。

         より大きな地図で ザイオン・ナショナルパーク を表示  園内は大きく3つのセクションに分かれている。中心部となるザイオン・キャニオンは、バージン川が削りあげた高さ600~800mの岩壁に囲まれた峡谷で、リムからキャニオンを俯瞰するグランド・キャニオン国立公園とは違い、地上からキャニオンを見上げる。その谷幅は約800mと、ヨセミテヴァレーの半分程度である。
USANP10_09_03377.jpg バージン川より約500m以上も標高の高い東ロゲートまでには、クリーム色のナバホ層と呼ばれる地層が露出している。別名ホワイト・クリフとも呼ばれるこの砂岩層は、約1億7千万年前に砂漠が堆積した、ザイオンにおける最も厚い地層である。炭酸カルシウムや酸化鉄などの鉱物をあまり含まない地層は柔らかく、刻まれた水平線は、風向きや速度変化によるもので、その垂直線は、温度変化による岩の拡張収縮作用や、割れ目に浸透した水の凍結融解作用によるものである。
 年間約250万人もの人々が訪れているザイオン国立公園は、観光ではなく、むしろハイキングやロッククライミングなど実際のアクティビティーを主体とした国立公園である。特異な地形と気候条件は多様性のある環境を生み、約75種の哺乳類、約271種の鳥類、そして約32種の爬虫類・両生類などが確認されている。



5-3-1 南口ゲート(1250)

USANP10_09_03006.jpg お定まりのゲートで写真。ガイドさんは必ずゲートの入口の看板でバスストップ。さあ写真を撮ってください、というわけだ。



5-3-2 ウエストテンプル(1203~1320)

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 次はトイレ休憩かと思いきや、人間の歴史博物館の裏手にある山々を見るためのストップだった。そこにはウエストテンプル2380mという世界最大級の一枚岩というのがあった。博物館から頂上までの標高差は1161mもある。ウェストテンプルから右へ連なる岩壁を総称して、タワーズ・オン・ザ・バージン(Towers On The Virgin)と呼ばれている。実はウルル(エアーズ・ロック)の解説の一つに、世界で二番目の大きさと書いてあるものがあった。それなら一番は何処なのだろうとかねがね疑問に思ってきた。今その疑問に対面した。(もっともオーストラリアにはエアーズ・ロックの2.5倍のマウント・オーガスタスが世界最大という説もある。・・・どうも花崗岩でウエストテンプルは世界最大と言うことのようだ。)
USANP10_09_03050.jpg この博物館の入口に一人の男性のレリーフがある。国立公園を創始した人だと言うことで、どの国立公園にもこの人のレリーフがあるとのことだ。
 またここの反対側の山の中腹には、自然に出来たアーチがある。実際に人が歩ける程度のものらしい。ここでも自然のいたずらに驚かされた。
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5-3-3 昼食(1330~1440)

USANP10_09_03075.jpg まずはザイオンロッジで昼食。ローストビーフサンドイッチにポテトチップス。相変わらずの内容だ。これがアメリカンといえばそう言えなくもないが。デザートはアイスクリーム。
 昼食後はシャトルバスに乗ってこの公園を回る。



5-3-4 ウィーピングロック(1500)

USANP10_09_03134.jpg 大岸壁の一部がアーチ状に剥がれ落ち、そこから水が滴り落ちている岩。渓谷の上で降った雨が岸壁の砂岩層にしみ込み、この岩のすぐ上で水を通さない泥岩にぶつかって水を表面にしみ出してきたもの。それが、岩から水が漏れてすすり泣いているように見えるという。それを見に行こうということになったが、生憎と道が崩れて修復中ということで行くことが出来なかった。
USANP10_09_03128.jpg noriが率先して代わりにその水が流れ込んでいるという川に降りて水を触ってきた。千年前のものというその水は、さほどの冷たさはなかった。



5-3-5 テンプル・オブ・シナワバ(1515)

USANP10_09_03218.jpg 5,6月頃には岩からの水が滝となってバージン川に流れ込むそうだ。今は渇水期らしく、残念ながら滝を見ることは出来ないが、その道筋は確認が出来る。この滝の中断あたりにある窪地で一泊しながらこの岩山を登るという人もあるらしい。
 この水の恩恵でこの辺りには木々が多く、昔からインディアンの狩猟場となっていたという。ちょうどそこが谷でかつ行き止まりのような状態になっているので、そこに獲物を追い詰めたらしい。この場所は、ザイオンにいくつかあるツアーコースの中の、リバーウォークというガイドがつかねば行けない川の中を歩くツアーの帰着点になっているらしい。ツアーを終えた人とすれ違った。
 周りの岩は砂岩らしくけっこうもろいという。足元はそれが削れてまるで砂浜のようになっていた。
USANP10_09_03206.jpg 確かに手でこすると削れて砂が残る。noriはおしろいとばかりに鼻の頭に塗っていた。



5-3-6 ビッグベンド (1540~)

USANP10_09_03277.jpg ビック・ベンドという所のバス停から、メーンの二つの山が見える。一つは標高約1765mのエンジェルスランディング。天使が舞い降りる所という意味の山で、頂上に至るには1m幅のトレッキングコースを行かなければならない。その上この場所は何時も風が強くて普通の人には怖い所だ。
USANP10_09_03284.jpg その左側の青白い岩は、2056mのグレート・ホワイト・スローンというザイオンの数ある顔の中の顔で、世界最大級の大きさを誇る一枚岩。バージン川からの高さ732m、オーストラリアのエアーズロックの二倍の大きさだという。



5-3-7 エンジェルス・ランディング(1557~1615)

USANP10_09_03315.jpg もう一度場所を変えてエンジェルス・ランディングを見る。エンジェルス・ランディングは、川を挟んでみるとまた違った様に見える。二人が写っている写真の左側にそびえる岩山がそれだ。
USANP10_09_03300.jpg 双眼鏡で覗いてみるとさっき危険だといわれた頂上に人がいた。やはり怖いもの知らずの人はいるものだ。写真をクリックすると、そうした人々の姿を確認することが出来る。
 そこからシャトルバスでロッジへ戻る。



5-4-8 チエッカーボード・メサ(1725~1735)

USANP10_09_03407.jpg もう一カ所見せたい所があるというガイドさんの案内で、バスで移動。ザイオン・マウントカーメル・ハイウェイを走ることに。両側にいろいろな岩を見ながら曲がりくねった道を徐々に上り、やがてトンネルを抜けて行く。そのトンネルは1927年に工事が始まり1930年に完成。当時の空気穴が絵のフレームのようになりトンネル内部から外の景色が見えて、ギャラリーというニックネームがある。
USANP10_09_03487.jpg そこを抜けてからまず赤い色の岩が綺麗な所で写真タイム。自然にこんな色が出来るのかと思うと不思議だが、そういえばヨルダンでも自然のミネラルの色ですという、いろいろな色の岩を見てきた。それで作った砂絵をお土産にした物が家にある。
USANP10_09_03552.jpg 到着したのは、チエッカーボード・メサ。昔砂浜だった砂丘が風で複雑な層に変わり雨による侵食で縦のシワが刻まれている。縦横の線がチェック模様のように見えることからこの名がついた。まぁ少しこじつけのような気もしないではなかったが、拡大すると雰囲気だけは伝わることだろう。
 そこからは一路今夜の宿泊地ブライスを目指す。途中から雨が降り出した。



5-4 レッドキャニオン(1910~1920)

USANP10_09_03653.jpg ホテルへ向かう途中、ここが綺麗ですよということでまたバスストップ。それまで降っていた雨が、不思議なことにちょうど止んでくれた。
 名前の通りここの岩も赤い色で綺麗だった。それだけではなく岩の形も面白い。確かにガイドさんが勧めてくれるだけのことはある。
 本来ならバスを止められない場所ですから、道路は渡らずにここから撮影をしてください、というガイドさんの声を無視するように道路を渡って岩の近くまで行った輩がいた。今回はこうした勝手な者が何人かいてイライラさせられた。



5-5 ブライス・ホテル着(1930) ベストウエスタン ルビーズ・イン 7011号室 1階 バスタブ

USANP10_09_03693.jpg 雨の中ようやくホテルに着いた。駐車場にはかなり多くの車が止まっていて、宿泊客だけではなく近くの人達もここに食事に来ているのかな、などと話して中に入った。



5-5-1 夕食(1930~2030)

USANP10_09_03687.jpg ホテルへ着くとすぐに夕食。レストランの予約ができないホテルなので、皆さん並んでくださいというので、既にできている長い行列の後ろへ着く。20分くらい待ちますと言うことだったが、外国人の食べ方を見ているとそんなに短い時間ではすまないような気がする。現になかなか列は進まない。
 そこへ、チェックインの手続きを済ませたガイドさんがやってきて、係の人に交渉してくれたらしく、我々はその列を無視して先に入ることができた。申し訳ないが、早く部屋に入りたかった身にはありがたい。
USANP10_09_03685.jpg ビュッフェスタイルなので、早速取りに行くと、野菜が豊富に揃っていた。これまで野菜不足だったので、喜んで大量に盛りつけた。また、肉も牛や鳥がいろいろな味付けでそろえてあり、大満足だった。



5-5-2 ホテル入室(2100) 就寝(2300)

USANP10_09_03698.jpg 部屋はレストランの建物にあった。ここはいくつかの建物に分かれているので、運がよかったとガイドさんも喜んでいた。部屋番号は4桁だが、1階。エレベーターもある。