アメリカ合衆国西部国立公園周遊

9月20日(日) 晴れのち快晴

起床(0430)朝日ツアー(0534~0700)トゥシャン・ホテル発(0835)グランドキャニオン(0840~1758)トゥシャン・ホテル着(1800)映画(900~2000)就寝(2200)


10-1 朝

 起床(0430)。昨日はたっぷりと夕日を楽しんだが、今朝は朝日を楽しむというので、早起きだ。
 これはオプションなので、全員参加ではないが、我が家は当然参加。早起きも苦にならない体質だ。二人共に。体を温めるためにスープを飲んでから、寒さ対策をしっかりして集合場所へ行った。



10-2 朝日ツアー(0534~0700)

ホテル発(0534)マザーポイント(0550~0645)ホテル着(0700)

USANP10_09_07568.jpg 参加したのは9人。バスに乗って出発。シャトルに乗らなくても行けるマザーポイントで、朝日を待つ。
USANP10_09_07641.jpg それぞれ自分のポイントを見つけて待つことになった。noriは少し上で、junは手軽な所で待つ。やがて、徐々に人が集まってきた。やはり日本語が多い。日本人にとってはここは最大の観光地のようだ。おまけに、こういう事が大好きな民族だからなおさら多く集まってくるのだろう。
USANP10_09_07678.jpg 頭上には少し雲があって太陽が顔を出してくれるか心配したが、そのときにはきっちりと晴れ上がってまん丸い姿を見せてくれた。
 反対側のちょうど陽が当たる岩も綺麗に紅く染まっていた。なかなかの光景だ。





10-3 グランドキャニオン(0840~1758)


   より大きな地図で グランドキャニオン・ナショナルパーク を表示
 ホテルへ戻っても、今朝は朝食が付いていない。クッキー程度のものを口に入れて変わりとした。出発ま少し時間の余裕があるので、部屋で休んだ。トゥシャン・ホテル発(0835)。
USANP10_09_07699.jpg 今日はトレイルを歩く。そのために二人とも杖を用意してきたのだ。が、連日の強行スケジュールのために体はもう十分に疲れ切っている。下の点線で囲まれた地図(概念図)はもらったパンフレットの抜粋で、①~④までは以下の説明のそれぞれと一致する。つまり、現地ではこうした日本語対応のパンフレットも出来ている。ただし今回は、多色刷りのきれいな国立公園統一様式のバージョンは入手できなかった。USANP10_09_9005.jpg



10-3-1 南Kaibabトレイル ①② (0853~1045)

ヤバパイポイントロッジ着(0853)ヤバパイポイント(0910~1045)ホテルで休憩(~1120)

USANP10_09_07722.jpg まずは足慣らしに、簡単なトレイル。約3kmの起伏がない道を歩く。出発地点はヤバパイポイントロッジ。本来ならここに泊まるはずだったのだ。それを聞いてしまうとやはりここが良かったと思えてきた。ここからシャトルバスでヤバパイポイント①へ行く。
USANP10_09_07768.jpg 降車した場所がトレイルの出発点で、その近くにはグランドキャニオンを紹介している小屋があり、また大きく切り取られた窓からは外の風景が見渡せる。
USANP10_09_07789.jpg ここからは崖沿いの道になる。危険を冒せば崖際まで行くことが出来る道だが、それだけに眺望がよい。上の模式図で緑色の線で表した道を進んだ。二人とも自分たちのペースで何度もストップしては写真を撮った。それでもガイドさん達一行はなかなか付いてこない。ベンチに座っては待つことを繰り返した。
USANP10_09_07833.jpg 中に一人ガイドさんに絡む人がいて、といっても悪い意味ではなくすっかりお友達のつもりでグランドキャニオンに関係のない馬鹿話を持ちかけるのだ。ガイドさんもそういう話が嫌いではないのかやけにのりが良くて、そんな話ばかりしているのでなかなか進まない。とうとうjunは嫌気がさして折角のイヤホンガイドのスイッチを切ってしまった。雄大な自然の中で世俗的な馬鹿話には付き合いきれない。
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 それからは自分の見たい所を自由に見て、自由に写真を撮った。それで満足できた。解説など無くても、目の前の自然は十分に語りかけてくれた。
USANP10_09_07882.jpg このトレイルの終着点にある天皇陛下も泊まられたという由緒ある エルトバ・ホテル②で一寸休憩。ロッキングチェアーが心地よかった。





10-3-2 ブライトエンジェルトレイル(1142~1300)

ブライトエンジェルロッジ着(1135)ブライトエンジェルトレイル(1142~1200)ロッジで休憩(1202~1300)

USANP10_09_07927.jpg 少し歩いてブライトエンジェルロッジまで行く。この辺りにはリスがたくさん見られた。ちょうど餌を食べているのもいて、その姿が愛らしかった。
 ブライトエンジェルトレイルは、リムから谷底へと通じている、園内でも最も多くのハイカーに利用されているトレイルである。古代先住民が峡谷内部へのルートとして利用していた痕跡も残されており、1891年に鉱山労働者によって大きく整備された。その所有権をめぐり、サンタフェ鉄道と長い間争われていたが、1928年に公園局が管理することで決着した。
USANP10_09_07928.jpg 地層最上部のカイバブ石灰層は、およそ2億年以上前、まだ海の浅瀬であった頃に堆積した地層である。1つめのトンネルを抜けると左手の岩肌には、古代先住民族の残した壁画があり、これはキャニオンの西側に暮らしていた、ハバスパイ族の祖先のものだといわれている。
USANP10_09_07934.jpg 長いスイッチバック(九十九折)がトロウィープ層へ下り、2つ目のトンネルを抜けるとココニノ砂岩層が始まる。これは約2億7千万年前、アリゾナ北部が巨大砂漠に覆われていた時の地層で、骨の化石は発見されていないが25種以上にも及ぶ爬虫類の足跡が確認されている。当初は、ここまで行こうと思っていたのだが・・・。
USANP10_09_07955.jpg 上からその道の様子を見て気持ちが萎えた。それでも、ガイドさんが少し一緒に行きましょうと言ってくれたので、一つ目のトンネルまで行く事にした。

USANP10_09_07940.jpg 確かに下りは急坂だ。こんな調子でずっと下まで続いていく。返りのことを考えると下までは行きたくない。また、同じ道を観光の馬が歩くので、糞が道に続いていて、臭い上に足元を注意しながらなので歩きにくい。これも理由にして、1つめのトンネルで引き返すことにした。
USANP10_09_07950.jpg そのトンネルまでガイドさんが連れて行ってくれたのには理由があった。そこの岩に線画が残されているからだ。普通に歩いていては決して気がつかないような上の方にそれは見られた。何が描かれているかグループ内で意見が分かれた。
USANP10_09_07893.jpg そこから引き返して、集合時刻まではまだ時間があったが、ロッジで座り込んで皆を待った。元気な人はかなり下まで行ったらしいが、我が家はウトウト居眠りをしていた。



10-3-3 昼食(1300~1350)

USANP10_09_07975.jpg 昼食は待っていたロッジで摂った。本来この昼食も付いていなかったものだ。
USANP10_09_07978.jpg メニューは、ベーコンチーズバーガーかインディアンガーデンラップから選ぶようになっていた。フリードリンクはこのところいつもレモネード。これにはまっている。
USANP10_09_07981.jpg ポテトも付いていたが、多すぎて食べきれなかったので、ボックスにして持ち帰った。今夜の夕食が付いていないので足しにする腹だ。(実はここでも信じられない光景を目にした。例の朝食時に間違って開いてしまったピーナッツバターを何と開いたまま籠に戻した輩が、こともあろうに自分の分だけでは足りず、人の食べ残した分まで自らのボックスに回収したのだった。何というあさましさ。)
USANP10_09_07985.jpg デザートはアイスクリーム。と言ってもこの食事に付いているのではなく、アイスクリーム売り場に並んで各自好きなものを購入するという事で手に入れた。美味しいというガイドさんの言葉に沿ったものだ。確かに美味しかった。



10-3-4 パウエルポイント(1423~1431)

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 1869年にボートでコロラド川を下り、グランドキャニオンの調査をしたパウエルの記念碑がある。
USANP10_09_08022.jpg ここからもグランドキャニオンの雄大な姿を見る。
USANP10_09_08008.jpg しかしこの場所はもう一つ、日本人としては絶対外せない見学場所がある。といっても、もはやその痕跡しか見ることは出来ないのだが、このパウエル・ポイントの入り口近くから少し入った右側の谷あたりは、かつてのウラン鉱山跡なのだ。
USANP10_09_08038.jpg 広島長崎に決定的なダメージを与えた原子爆弾ではあるが、そもそも敗戦は時間の問題だった状況であの投下は必要であったのかという疑問、今なお苦しむ人が多数いること、にもかかわらずまだ核兵器は作り続けられていると言うこと、そうしたことを美しい自然美と対峙するなかで改めて考えさせられた。複雑な思いにさせられた時間だった。



10-3-5 ホピポイント(1518~1545)

USANP10_09_08056.jpg ブライトエンジェルロッジ発(1630)。またシャトルバスに乗って、ウエストリムのホピポイントへ行く。ここからの眺めも絶景だ。ただし先の方まで行くと足がすくむ。
USANP10_09_08061.jpg 本来ならここで今日の観光は終わるはずだったのだが、ヘリコプターに乗って遊覧したいという希望を聞き入れてもらって、6人がそれに参加することになった。



10-3-6 空中散歩(1652~1758)

飛行場着(1652)飛行(1720~1750)バス発(1758)

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 飛行場へ着いてみると既にたくさんの人がいた。当日予約を取れるなんて滅多にないことだと言うことだった。
 受付で記名をしていると足元が体重計になっていた。それによって座席が決まるのだという。皆ギョッ!それからこれから搭乗する人達が1カ所に集められて注意事項のビデオを見た。いよいよヘリコプターへ向かう。その前に記念撮影。
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 席は前列が2人、後列が4人。junはその前の右側の席。noriは後列の左側の席。ラッキーだ。操縦士は女性だった。
 ゆっくりと上昇したヘリコプターは、思ったほどの揺れもなく静かなものだった。眼下にあるものが手に取るように近くに見える。思ったよりもはっきりと下界の様子が見えるのには驚いた。
USANP10_09_08201.jpgUSANP10_09_08205.jpgUSANP10_09_08206.jpg
 始めは樹海の上を行く。その中に鉄道が走っていた。1日に1本だけ往復するのだ。10-3で掲げたGoogleの地図の中で、紫色にポイントされた場所が今回の飛行ルート。
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 やがて正面の大地の色が緑から黄土色に変わってくる。大きな壁が正面に現れる。そしてそれを形成しているコロラド川の上に出た。切り立った断崖の様子がよく見て取れた。
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 こうして上から見るとその大きさ、激しさがよくわかる。下では感じとれなかった偉大さだ。一部ではあったが紅葉も見られた。
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 やがて黄土色の大地は、夕日に照らされ茜色に輝きだした。
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 こうして30分の空中散歩は終わった。一人140$と一寸値段は高かったが、乗ってみて良かった。それだけの価値があった。
 このヘリポートの横に長い滑走路を持つ飛行場がある。世界の要人がここを訪れるときの専用機の発着陸のために造られているのだそうだ。



10-4 トゥシャン・ホテル着(1800)

USANP10_09_08608.jpg 満足してホテルへ戻った。が、あまりゆっくりしてはいられない。1時間後にはグランドキャニオンの歴史や冒険などを描いた映画上映がある。それを見に行くのだ。映画館まではバスで送迎してくれる。



10-5 映画(1900~2030)

USANP10_09_08613.jpg 団体割引と言うことで一人12$。土産物屋の中を通って映画館の中に入るように出来ている。中は階段状になっているので何処へ座っても見やすいようだが、通路が間にないので、中央に座ると出入りが大変。それでも、見やすいだろうとそこに陣取ったのだが。
 英語でペラペラと進んでいくので内容はわからないが、画面で適当に想像する。すると、ここにも原始から人が生活し争いがあったことがわかった。
USANP10_09_08627.jpg 空中から全体を写す画像では、先ほど実体験してきたときのことと重ね合わせて、より心に残るものになった。川下りはコロラド川の激しさが画面を通してでも十分に伝わってくる。その流れの中を探検したのがパウエルという人だ。そのときの船の模型が映画館の正面に展示されていた。
 映画は、撮影の方式がより迫力が出るようなものだと言うことで、3Dとは違うが、画面が迫ってくる感じでドキッとすることがあった。



10-6 ホテルにて

USANP10_09_08607.jpg 今夜も夕食が付いていない。といって近くにスーパーもないので、昼間のポテトなど適当にあるものを見繕って済ませた。22時就寝。