9-1 朝
今日の出発は少し遅いので、ゆっくり目覚ましで起きて(0530)、身支度だけしてレストランへ行った(0630)。今日は一番乗りだった。受付で、何というグループかと聞かれたが、全く聞いていなかったので、ガイドさんの名前やらグループの人数やらを言って何となく席を指定された。メニューはたいしたことがないので、トーストを2枚食べた。
そのうちいつも一緒にいる2名が来たので、席を教えてあげてから部屋へ戻った。
9-2 アンテロ-プキャニオン(1033~1212)
カイエンタ・ホテル発(0905)火力発電所(1030頃)駐車場着(1033)キャニオン(1040~1142)駐車場発(1212)
今日のゆっくりの理由は、アンテロープキャニオンに日が差し込む辺りがよいと言うことで、それに合わせたためだ。入り口は荒野の中にぽつんと建つチケット売り場?掘っ立て小屋があるだけだ。
アンテロープ・キャニオンは、風雨により細く深く削られた谷。ナバホ・サンドストーンが長年月にわたり降雨やそれに伴う洪水により削り取られ、またその谷を吹きぬける風による侵食により形成されていった。このキャニオンは南からレイク・パウェルに注いでいるのだが、現在は枯れ沢で雨が大量に降った場合のみ流れが形成される。何年か前にはそれが鉄砲水となり、犠牲者が出ている。そのために、上流で雨の予報が出ると見学中止になったりもするそうだ。
そんなこともあり、アッパー・アンテロープ・キャニオンとロワー・アンテロープ・キャニオン、そのどちらもガイドを伴わなければ見学することが出来ない。
アッパー・アンテロープ・キャニオンは上流部に位置し、ロワー・アンテロープ・キャニオンは幅の広いキャニオン部分を挟み、その2,3マイル下流に位置する。
アンテロープ・キャニオンの名称はかつてプロングホーン・アンテロープがアッパー・アンテロープ・キャニオンに自由に出入りしていたということから名づけられたという。
我々はこのうちのロワー・アンテロープ・キャニオンを見学する。
より大きな地図で ロワー・アンテロープ・キャニオン を表示
ホテルからは40分くらいと言うことだったが、実際は結構かかった。荒野にぽつんとあるナバホ族の家などを見ながら進んでいった。ようやく火力発電所が見えて、目的の地に近づいたのがわかって、ほっとした。
駐車場へ着くとまずトイレを済ませ、ガイドさんの後に続いた。砂地を少し行くと波打つような岩の上に出た。と、その隙間を指さしてここから入りますという。
そこがアンテロープキャニオンの入り口なのだが、狭いなんてものじゃない。人一人がやっと入れるような広さしかない。体格のよすぎる人はとてもじゃないが入れそうもない。
そこをまず下っていく。足下が砂地になっているので、滑らないように気をつけながら両手で壁を押さえながら慎重に降りていく。鉄製の階段もあるが急な上に手すりもないので結構怖い。何カ所かそういう所があって、どんどん地下へ潜り込んでいく。
そうしてたどり着いた所は驚愕の世界だ。人の手が全く入っていない自然の世界が、まるで芸術作品というものを表現しているようだ。岩の線も地層の線も、見事に綺麗な曲線を描いている。そして色も不思議な色を見せている。それがずうっと続いている。岩と岩に挟まれながら狭い通路を歩いて行くのだが、角度によってまた見え方も違い、自身がキャンバスの世界に入り込んだようだ。
ただ、惜しむらくは光の関係でなかなかいい写真が撮れない。
帰りは下った分だけ上がらなくてはいけない。狭くて急な階段を上って行く。最後にこれは結構応えた。
9-3 レイクパウエル・ダム(1224~1248)
そこから少し離れたレイクパウエルへ行く。湖を見るというよりグレンキャニオンダムを見る。1956年から建造が始まり全米でもラスベガスのフーバーダムに次ぐ大きさを誇っている。これによって出来たレイクパウエルは長さが300km、ということはおよそ、東京名古屋間に匹敵する。すごい。
そこに架かる橋を歩いて渡って、その大きさの一端を体験した。
ずっと下を流れるコロラド川が綺麗だ。
9-4 昼食(1300~1348)
今日もまた中華。ただまたビュッフェなので飽きることはない。種類も豊富でアメリカの中華もなかなかいける。
9-5 グランドキャニオンへ
買い物(1350~1420)ビューポイント(1449~)休憩(1550~1620)アリゾナ時間ー1時間
いよいよグランドキャニオンへ行く。今回の旅の楽しみの一つでもある。が、そこまでの道のりはまだまだ遠い。
途中、またウォルマートで休憩をかねて買い物。ビール18本入りケースと水1ガロンを購入。ビールは順調に消化している。
少し走ってビューポイントということでバスストップ。シニックビューポイントと言うらしい。
そしてまた立ち寄ったのが土産物屋さん。
アリゾナ州に入り、ここで時計を1時間戻す。広い広いアメリカは、国内でも時差がある。
グランドキャニオンが近づき、リトルコロラド渓谷に入ると断崖絶壁が続く。いよいよグランドキャニオンが近づいてきた。
9-6 グランドキャニオン(1556~1853)225
より大きな地図で グランドキャニオン・ナショナルパーク を表示
東ゲートを通過(1556)してとうとうやってきた。
アリゾナ州北西部に位置するグランド・キャニオン・ナショナルパークは、長さ約444㎞、幅平均約16㎞、深さ約1,6kmの壮大な大峡谷を中心に、コロラド川に沿って東西に横たわっている。現在の総面積は約4931平方kmと東京都の2倍以上の広さになっている。
現在コロラド川の流れる峡谷底部の最も古い地層は約17億年前のものと考えられているが、キャニオン浸食の歴史は地球史から見ればごく最近のことで、その浸食作用が始まったのはカリフォルニア湾が開いた約530万年前頃といわれている。
中新世(約2300万年前から530万年前)におけるコロラド・プラトー(台地)の隆起に伴い、コロラド川西側の川床は東側よりもかなり低くなった。ロッキー山脈を源とするコロラド川は、現在のグランド・キャニオン一帯の水系を飲み込みながら、カリフォルニア湾へと流れ出した。水系結合により全長約2320kmにもなったコロラド川は、浸食性のあるシルト(泥石)、玉石、丸石などによって、この大峡谷を削り上げた。約120万年前頃には現在の深さになったキャニオンであるが、その浸食活動は今なお続けられている。
9-6-1 デザートビューポイント(1602~1635)
デザートビューポイントは東ゲートの直ぐ近くにある。ビューポイントと言うくらいだから、そこからのグランドキャニオンの眺めは全体を見渡せてその大きさを実感するにはもってこいの場所だ。切り立った岩が眼下に並んでいる様は壮観だ。
歩いては止まりしながら撮影ポイントを逃さぬようにガイドさんに着いていった。終着の所にはウォッチタワーという高い塔が立っていた。これ自体は80年前に作られた物だが、昔のインディアンの家をまねて造ったのだそうだ。
内側の壁には線画など、当時を模して描いてあった。また、階段があって上に上ることが出来る。何人かは上って行ったが、我が家はその周りの景色を楽しんだ。
9-6-2 マザーポイント駐車場着(1710)
ここからシャトルバスに乗り換えて夕日ポイントへ向かう。
バスに乗るとすぐに立派な角のミュールディア(鹿)が現れて騒然となった。バスの運転手も心得たもので、そこでバスを止めてしばらく待ってくれた。
先へ行くと周りの木々がまた葉っぱも付けずに立っていた。3年前に起きた火事のせいだという。原因は落雷。自然のこうしたこともある程度は必要だと最近の考えは変わってきたのだそうだとのこと。新陳代謝が必要だと言うことらしい。
9-6-3 ヤキポイント(1740~1836)
マザーポイント駐車場を18時53分に出て、ヤキポイントにシャトルバスで移動。
ここで日が落ちるのを待つことになった。ガイドさんが僕のポイントです、という所へ連れて行ってくれた。
夕日を見るだけでなく、周りの景色も素晴らしい。コロラド川に削られたギザギザの地形が荒々しく迫ってきた。
待つこと約30分。徐々に岩が紅く染まり始めた。ただ、昨日のモニュメントバレーでその素晴らしい赤を目にしているので、それに比べると陽の強さが弱いように思えた。少し雲が出ているせいだろう。それでも鑑賞には十分に応えうる。
完全に日が落ちる前に、我が家の二人は反対側に行き、岩が染まる所ではなく日が落ちる所を見に行った。
何度も目にしている光景だが、そして、日が落ちるのは毎日のことでことさら目新しいものでないことはわかっているのだが、それでもその瞬間を見たいということだ。そのために絶好の場所を求めてやや崖際まで進んで場所を決めた。
やがて、太陽は最後にひと輝きして沈んでいった。
9-7 トゥシャン・ホテル着(1908) ベストウエスタングランドキャニオン 1102号室
ホテルはグランドキャニオンの中がとれなかったようで、トウシャンという入口の所の町になった。中でないのは残念だったが、そう遠いわけではないので我が家としては不満はなかった。その代わりというのだろうか、本来なら付いていない夕食が付いてきたのだから。
9-8 夕食(2000)
その夕食のメニューは、豚肉のスペアリブ。これが馬鹿でかい。見ただけでお腹がふくらんでしまうような代物だ。ただ、骨の部分が大きいだけで、肉自体はそれほどでもない。これも美味しかった。