平成22年7月20日(火) エルミタージュ(建物見学その1 芸術部門その1)

4 7月20日(火)

起床(0400)朝食(1000)ホテル発(0958)エルミタージュ美術館(1020~1705)夕食(1830~2000)就寝(2100)
エルミタージュ美術館詳細 ゴールデンルーム(1115~1220)・建物見学その1(1245~1300)・芸術部門その1(1304~1327)・建物見学その2(1330~1400)・自由見学(1400~1500)・見学後半(1510~1650)

4-3-4 建物見学その1 (1245~1300)

 ようやく全員が揃ったので、まずは冬の宮殿から見学が始まった。迷子にならないで、と言っていたガイドさんだが、そこへ付くまでに係の人に道を尋ねたりもしていた。かように、複雑に入り組んでいる。
 また、アレクサンドル二世の妻の階段というのを上って行く。

4-3-4-1 皇太子のスペース <冬の宮殿>

 冬宮の南西部分にアレクサンドル二世の結婚のために造られた幾つかの居室が残っている。これらの部屋の豪華な内装装飾は,火事の後の修復作業と同時に始められ、1841年4月に完成された。皇太子のスペースと呼ばれるこの部分は、将来の后妃マリア・アレクサンドロヴァのための居室から構成されていた。



201008russia2542.jpg奥方専用階段とか
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4-3-4-2 白の間(白の客間)

 皇太子のスペースで一番公式的な空間は「白の間」。室内のレリーフは、戦勝のトロフィー、神話の登場人物や題材を表している。
 文久使節団や岩倉使節団もこの部屋に入ったそうな。


201008russia2547.jpg往事の日本人にどう写ったのだろうか?
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4-3-4-3 黄金の客間

 白と対照をなすものとして造られた。
 床も天井も壁も全て金箔で飾られている。当初は壁と天井は白い人工の大理石で、細いレリーフの模様だけが金で飾られていた。家具も全て金箔が施されていた。1860~70年代に壁全体も金箔で覆い尽くされた。その頃の姿のまま残されている。
 この部屋に展示してあるのは、宝石を細工して作った物。ヨーロッパでも屈指のコレクション。


201008russia2560.jpg天井まで一貫して金箔の嵐
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4-3-4-4 赤の客間(真紅の客間)

 壁が赤色で随分と派手な部屋だ。
 ここは、夫人の親しい人達をもてなす客間だった。食器なども置かれている。
 花と牛の飾りがあるが、これは奥さんの花押だということだ。それは天井や冠にも付いているというのだが。


201008russia2573.jpg壁面の赤が主張している
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4-3-4-5 プドゥアール(着替えの間)

 要するに夫人用の私室だ。ロココスタイルの部屋で赤色が鮮やか。鏡が多く、壁にも天井にもある。1853年に造られた。細い金細工のレリーフや絵画のモチーフが壁や天井を飾っている。扉の上には、絵が嵌め込まれている。
 先ほどの客間に比べて、こちらの方が華やかな感じがする。
 次の間には階段があって、三階の子供部屋に通じているということだが、未確認。


201008russia2590.jpgここも基調は赤
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4-3-4-6 寝室

 丁度たばこ入れの展覧会をやっているので、撮影は禁止だという。
 この部屋には、シャンデリアはあるが、ベッド等はない。ロマノフ王朝の人気が高まることを懸念したスターリンが、王家のプライベートなものは全て破棄してしまったのだそうだ。
 大理石の風呂もあったが、今は海のレリーフが残り、浴室であったことを伺わせる程度だ。
 さて、展覧会の方はというと、貴石を使った豪華なたばこ入れやパイプ、キセルなどが並んでいた。たばこ文化の歴史なども説明してあった。なぜこれが撮影禁止なのか、分からない。その程度の展示内容だ。


201008russia2602.jpg浴室だった部屋

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4-3-5 芸術部門その1 (1304~1327)

 これからいよいよ芸術部門の見学になる。膨大な数で全部は見きれないので、ガイドさんが要領よく回りますから、離れないように付いてきてください、と言う。
 まずは印象派から見ましょうということで、冬の宮殿の3階へ行く。
 そこは今までに見てきた部屋とは違って、飾りのないシンプルな部屋だった。召使いの部屋だったそうな。
 その印象派の作品、実はかつては1点もなかったのだそうだ。革命後に個人が収集して持っていたものを没収して、プーシキン美術館と分け合ったとか。
 印象派は、先日東京で「印象派展覧会」を見てきたばかりなので、興味深い。



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4-3-5-1 ピカソ

 ここには30点ほどの作品がある。青の時代やバラ色の時代、キュビズムといった時代のものがあるが、青の時代を中心とした青年期のものが多い。
 作品名が確認できたのは、「若い女」「nude」「Two sisters」。


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4-3-5-2 マティス

 まず、「対話」。ガイドさんによると浮気しただんなさんが奥さんに詰め寄られている所と言ったが本気なのか冗談なのか?この人、結構男女の愛と別れに独特の感情を持っている。
 見てすぐに分かるのは「ダンス」。これは「音楽」と対になっている作品で、スポンサーに頼まれて玄関に飾る絵として描き上げもの。ダンスの方がその後評判になって、同じようなものを描いたが、これが正真正銘の最初のものだとガイドさんは強調した。


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4-3-5-3 ゴーギャン

 タヒチ時代の作品が15点ある。構図の取り方など浮世絵の影響が見られるでしょ、とガイドさんが説明してくれたが、具体的にはこちらの知識不足で分からない。
 先日、東京で見た「ゴーギャン展」を思い出した。
 作品名が確認できたのは、「果実を持つ女」と「奇跡の泉(夢想)」。


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4-3-5-4 ロダン

 ロダンの作品はこれだけ。「永遠の春」というものだが、何故かガイドさん、恥ずかしいですねえ、としきりに言う。


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4-3-5-5 ゴッホ

 ゴッホの作品は4点所蔵している。
 確認できたのは「アルルの女」、「藁葺き屋根の小屋(あばらや)」と「ライラックの木」。
 ライラックの木は入院していた病院の庭にあった木を描いた。昨年、実際にその病院へ行ってきただけに、その現場の作品というある種の感慨がある。


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4-3-5-6 ドガ

 ドガと言えば踊り子。個別の作品名は分からないが。


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4-3-5-7 セザンヌ

 セザンヌのアトリエにも昨年行った。ここでnoriは売店のおばさんにカレンダーをもらった。そんな思い出があると作品にも親しみを感じる。作品名が確認できたのは、「掛け布のある静物」、「サント・ヴィクトワール山」、「たばこを吸う男」。
 サント・ヴィクトワール山も実際に目にしたが、なぜあの山がこれほどセザンヌを引きつけたのか、今ひとつ分からない。


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4-3-5-8 モネ

 モネと言えば睡蓮を思い出すが、ここで見たのは、「庭の貴婦人」と「ジヴェルニーの干し草」と「ポピー畑」?


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4-3-5-9 ルノワール

 「鞭を持つ子供」。これは男の子。丈夫に育つようにという迷信のようなものがあって、小さいときに女の子の格好をさせることが多くあったそうな。
 「ジャンヌ・サマリーの肖像」。何ともこの色っぽさ。ジャンヌ・サマリーはルノワールのお気に入りのモデルだったそうで、10点もの作品があると言うが、そのうちの一つにはこの後モスクワでご対面となる。


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4-3-5-10 一点もの

 ルティエールの「ウティカのカトーの死」。何故か2枚も撮している。知らない作家と作品だが、惹かれるものがあったのだろう。
 グロの「アルコ橋上のナポレオン」は、分からないままに、この男性に惹かれて写真を撮った。フランスを指揮する若いナポレオンだった。この戦い(1796年)でフランスはオーストリアに勝利。なるほど、いい顔のはずだ。

  以上で3階が終わり、近くの階段から2階へ下りる。


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