平成22年7月20日(火) エルミタージュ(建物見学その2 自由見学)

4 7月20日(火)

起床(0400)朝食(1000)ホテル発(0958)エルミタージュ美術館(1020~1705)夕食(1830~2000)就寝(2100)
エルミタージュ美術館詳細 ゴールデンルーム(1115~1220)・建物見学その1(1245~1300)・芸術部門その1(1304~1327)・建物見学その2(1330~1400)・自由見学(1400~1500)・見学後半(1510~1650)

4-3-6 建物見学その2 (1330~1400)

 3階が終わり、近くの階段から2階へ下りる。
 時代の移り変わりと共に増改築され、装飾もその時代のはやりとかを取り入れたりしたので変わってきたが、通り抜けた部屋は、1730年代の装飾がそのまま残っている。祭壇があったが、今は壊れてしまってない。さて、ここがどの部屋なのかは不明。



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4-3-6-1 1812年 祖国戦争の画廊

 天井には明かり取りの為に、大きな窓がある。部屋の両側の壁には、びっしりと肖像画が並べられている。宮殿の中の回想的な意味を持つ部屋の中で、最も有名な部屋である。
 1862年12月25日、ナポレオン軍のロシアからの追放を記念して作成。その完成がここで祝われた。
 ここには戦闘時将軍だった人と終結時に将軍の称号を受けた人を描いた332枚の肖像画がある。戦死者の肖像画のための場所が13カ所、肖像画の無いまま氏名のみで空けられている。
 アレクサンドル一世がドウという画家に描かせた物だ。
 アレクサンドル一世は,ナポレオンが侵入してきたときの司令官で、正面に馬でまたがった勇姿が掲げられている。
 かのストロガノフ伯爵もいる。若い。
 1837年、ここに大火があったとき、これらの絵は全て持ち出されて無事だった。


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4-3-6-2 玉座の間(ゲオルギーの間)

 1837年の火事によって消失した後、皇帝ニコライ一世の命により、白い大理石で造られた。
 玉座は奥の中央にある赤い椅子。その天蓋の上に聖ゲオルギーのレリーフがある。白馬にまたがった勇壮な姿をしている。ゲオルギーは、キリスト教の聖人の一人。
 さすがにここにはロープで仕切りがなされていて、玉座に近づくことは出来ない。
 天井は金箔された模様で飾られ、それと同じ模様が16種類の木を使ったという寄せ木細工の床に見る事が出来る。
 以上で冬の宮殿が終わりだという。つまり以上は冬の宮殿の部屋だったようだ。


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4-3-7 小エルミタージュへ

 ここから小エルミタージュに入る。その渡り廊下のところに,家具やタペストリーが飾られていた。
 この小エルミタージュというのは、エカテリーナ二世のプライベートな美術館だ。増えすぎた美術品コレクションを納めるため、また、彼女が友人たちと一緒に過ごす娯楽のために冬宮の隣に建設した。
 この小エルミタージュには絢爛豪華なパヴィリオンの間があり、2階部分には空中庭園と呼ばれる中庭がある。空中庭園では、野菜などを作って自給していたそうだ。



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4-3-7-1 パヴィリオンの間

 エカテリーナ二世の私室としてつくられたパビリオンの間。
 古代建築、ムーア風建築、ルネッサンス建築の様式などが複雑に絡み合った豪華な部屋で、中央にはグリゴリー・ポチョムキン公爵がエカテリーナ二世へのプレゼントとして贈られたからくり時計の孔雀時計がある。
 ここは、いつも混雑している場所だそうだ。ある特定の時刻になると時計の針が180度回って孔雀のしっぽやフクロウが動く仕組みになっているそうだが、混雑を避けるために、今は動かしていない。
 この部屋はシャンデリアも多いが、モザイクのコレクションも多い。テーブルや、ローマ時代の浴場の床のコピーもそう。壁に掛かっている滝の絵も実はモザイク。
 この後1階へおり、冬の宮殿のビュッフェへ行くことになった。


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4-3-8 新エルミタージュ

 その前に新エルミタージュを通る。ここの部分は、1842年から1851年にかけて、ロシア最初の公的な美術館としてエカテリーナ二世の孫にあたる皇帝ニコライ一世の命よって建てられた。

4-3-8-1 12本の円柱の間

 この部屋のインテリアは、古代ギリシアの神殿の内部を復元している。イオニア式の円柱は、セルドボリ産の花崗岩が使われており、継ぎ目のない一本柱である。床は大理石。
 壺などのコレクションも並べてあるが、その中で、専門家から一番高く評価されているのは,ガラスケースの中にある「王様の壺」。
 エカテリーナ二世が好きで集めたカメオや貴金属のコレクションもすごい。(カメオ、ぴんぼけでごめんなさい。)



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4-3-8-2 コリヴァンの飾り鉢

 ここには前1~2世紀の像が並んでいる。その中央に大きな鉢がある。入口よりも大きな鉢で、「さてどうやって入れたのでしょうか?」とガイドさんから質問が出た。
 答えは簡単。建築中の建物にこれを運び入れてから、全体を造った。従ってもうここから運び出すことは出来ない。しかもこれ、使うわけではなく単なる飾りものだそうだ。が、何か意味があると思うのだが。


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4-3-9 小エルミタージュ通路

 行ったり来たりしている感じで、自分たちのいる所がゴチャゴチャになっているが、ガイドさんの言葉が便りだ。と言うことで、どうやら小エルミタージュの通路を渡っているらしい。
 この上はさっき見た空中庭園。
 この通路は昔は馬小屋だったとか。今は、エルミタージュの研究員の部屋となっている。また、エルミタージュ付属の美術学校もあるとかで、廊下には彼らの作品が展示されていた。



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4-3-10 冬の宮殿に入る

 ようやくカフェのある冬の宮殿に来た。
 が、すぐにカフェではなく、エジプトの部屋を通る。
 古代エジプトのミイラや柩などが数多く並べられている。ロシアにも来ていたのかと,驚いた。エジプトの遺産は世界中に散らばってしまったようだ。
 その部屋を出て更に先へ行くと、インターネットカフェがあった。といっても、インターネットをしている人よりかは、そこに置かれている席で、食事をしている人の方が多かった。
 そうして、ようやく昼食場所のカフェに到着。
 が、我が家は既に済ませているので、後の集合時刻と場所を聞いて、また見学に出かけた。



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4-3-11 自由見学 (1400~1500)

 ガイドさんと一緒でもいる所が分からなくなってしまったくらいだから、二人では少し不安もあったが、地図と先ほど通った部屋の記憶に頼りながら進んで行った。目指すは、junの希望で「ラファエロの回廊」。
 エジプトの部屋を通り過ぎて先へ行く。とは言ってもガイドがいないので何処なのか分からない。日本語のガイドをしている人がいるとそこに近づいて聞き耳を立てたり、人混みがあるとそこへ行ったりしながら進んだ。

4-3-11-1 作品

 そこで撮した作品で、分かったのは、アンジェリコの「聖母子と天使」、ポッティチーニの「聖女バルバラと聖マルティヌスのいる幼児キリストの礼拝」。
 それから一番の人だかりのところで、ダ・ビンチの「ブノワの聖母」と「リッタの聖母」。
 それでも、丁度人々は昼食時なのか、写真を撮れないほどの混雑ではなかった。
 後、作品名は分からないが、一寸気になった作品もあった。が、いずれにしろ次から次に名作が並んでいるのだから、忙しい。
 本当はもっとゆっくりと見て回れば、他にも名のある作品があったのだろう。



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4-3-11-2 ラファエロの回廊

 そんな風に作品を楽しみながら、どうにか目的のところに着くことが出来た。
 ここは、エカテリーナ二世がヴァチカン宮殿の回廊のフレスコ画のコピーとして作らせた。
 エルミタージュ美術館のホームページによると
「旧エルミタージュと新エルミタージュをつなぐ長い通路がラファエロの回廊です。壁中に描かれた優美なモチーフの数々は描き上げるのに11年の歳月を費やしました。天井に繰り返されるアーチには、それぞれに聖書のテーマが描かれています。創世記の「アダムとイヴの追放」から始まり、キリストの情熱と生涯で終わる壮大な聖書の52のエピソードが描かれているこの連作は、「ラファエロの聖書」と呼ばれています。」とある。
 着いた所には団体がいて写真が撮りずらかったので、隣の「マジョリカの間」を通って先回りをすることにした。
 が、この部屋もただ通り過ぎるにはもったいないような豪華な部屋で、イタリア製のマジョリカ焼きなどが並べられていた。
 思った通り、その部屋を抜けたとこには人がいなかったので、ゆったりと時間をかけてみることが出来た。長く続く廊下は、隙間無く装飾で埋め尽くされていた。そこを行ったり来たりしながら充分に時間をかけてゆっくりと見て歩いた。
 ただ、思ったほどのきらびやかさはなかった。今までの金ピカで目が眩んでいたせいかもしれない。が、一つ一つの部分に目をやるとそれはそれなりに素晴らしいものだ。
 そうこうしているうちに、結構時間が経ってしまったので、地図と記憶をたどりながら集合場所を目指していった。


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4-3-11-3 天窓の間

 途中、また綺麗な部屋があったので写真を撮った。後で調べてみると、多分、あまり自信はないのだが、「小イタリア天窓の間」か「スペイン天窓の間」ではないかと思われる。
 赤い壁と豪華な彫刻の施された丸天井が特徴的な天窓の間は「大イタリア天窓の間」「小イタリア天窓の間」「スペイン天窓の間」の3部屋から成っている,と解説があったからだ。
 イタリア天窓の間にはカラヴァッジォの「リュートを弾く人」や、ティントレットの「洗礼者ヨハネの誕生」、ジュゼッペ・マッツォーラによる「アドニスの死」などイタリア芸術のコレクションが数多く展示されており、スペイン天窓の間にはムリーリョ、ホセ・デ・リベラ、エル・グレコなどのスペインの有名な画家たちの作品が展示されているそうだが、部屋の素晴らしさだけに目を奪われて作品の方にはあまり目が行かなかった。
 ここは午後の時間にもう一度来たので、作品はそちらへ載せることとする。
 この後も黄色や青の部屋を通り抜けた。


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4-3-12 集合場所

 どうにか時刻よりやや早めに戻ることが出来たので、インターネットカフェ近くの本屋へ行って、ゴールデンルームのガイドブックを購入した。日本語のものがあった。
 それから修復中で見られない「大使の階段」を二階部分まで行って見たり、トイレに行ったりして集合場所で皆と合流した。



201008russia2912.jpg本来は大階段があるが修復中
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